INTERVIEW

社員を知る

INTERVIEW #3

2024年新卒社員によるパズルアクションゲーム「SHIBUYA DROP」
約8ヶ月間で企画から、Unreal Engine5を利用した開発まで新卒メンバーだけで完結させる若手育成プロジェクトについて、メンバーから話を聞きました。


MEMBER


プログラマー

第一開発グループプログラミングセクション

沖野 侑

オキノ ユウ


第一開発グループプログラミングセクション

髙野 友惟

タカノ トモイ


第一開発グループプログラミングセクション

三口 陸

ミグチ リク


デザイナー

第一開発グループデザインセクション

池上 優輝

イケガミ ユウキ


第一開発グループデザインセクション

石島 彩衣

イシジマ アイ


第一開発グループデザインセクション

外川 実咲

トガワ ミサキ


第二開発グループデザインセクション

小﨑 菜々花

オザキ ナナカ


プランナー

第一開発グループプランニングセクション

澤本 海憂

サワモト ミユ


第一開発グループプランニングセクション

鈴木 葵葉

スズキ アオバ


第一開発グループプランニングセクション

高倉 悠

タカクラ ハルカ


若手育成プロジェクトとは

近年、ゲーム制作規模が大型化し、開発も長期に渡るため、立ち上げからマスターアップまでを一気通貫で経験した人材が少なくなっている。
これを解決するため、会社でのゲーム開発(企画立案からプレイアブルビルド作成まで)を早期に短期間で経験させることを目的としたプロジェクトである。

※ビルド…制作中のゲームをパッケージ化したもの。

皆さんが作ったゲームってどういうゲームだったんでしょう?

澤本

一人用のパズルアクションゲームになります。
突如としてシブヤの上空に逆シブヤという、逆さまのシブヤが現れるという現象が発生し、そこから大量の巨大なブロックと一緒にガラケーが落ちてくるんですが、主人公ワコが着信に出ると、逆シブヤの女の子セイカから、ブチ公という謎の緑色の銅像を届けて欲しいと依頼されます。二人は協力し、落ちてくるブロックをどんどん登って逆シブヤを目指していく事になります。
登っている最中に物語の内容が明かされていき、セイカは平成時代の女子高生である事、逆シブヤの正体は平成のシブヤである事が分かっていきます。
ちなみに、メンバー紹介に載せているアイコンはブチ公をもとにしたデザインになっています。

皆さんが担当した業務について教えてください

鈴木

主な担当は企画書や仕様書制作です。中盤以降は、PM的な役割も増えてきました。その他、シナリオ執筆とその関連業務もメンバーと相談しながら進めていました。

※PM…「プロジェクトマネジメント」の略。主に制作のスケジュール管理を行う。

高倉

主にアクションの仕様について、プログラマーともやり取りをしながら作り上げました。レベルデザインも担当しています。

澤本

私はUIとグラフィック回りの仕様ですね。ブロックの見た目に関して色々デザイナーと相談しつつ決めました。企画内容のプレゼンも担当しました。

髙野

2D回りです。UI、会話システム、セーブロード機能など。あとはサウンドも。

沖野

アクション、アニメーションなどキャラクター周りの組み込み全般を担当しました。あとは結構好き勝手に色んな検証をしていて(笑)、実際に組み込んだものだと、プレイヤーのパラメーターをUI上でプランナーが操作できるツールを作ったりしました。

三口

他パートの作業待ちになる時間が発生して、空いた時間ができると、沖野くんは自分で思いついたアイデアを形にしてくれるタイプで、髙野くんはとにかく今の段階のテストプレイをしてフィードバックを出してくれてましたね。
僕はゲーム内のギミックメインでした。ブロックを落としたり、アイテムを落としたり、あとはイベント回りのシーケンサー組込とか、あとは他セクションとのMTGに出て色々実装方針を調整したり。

※シーケンサー…あらかじめ作ったキャラクターやカメラの挙動やSE等を順番に流す機能。これにより一連のシーンを作成できる。

石島

モーション回り全部をやってました。今回アクションゲームだったので、アクション全般の動きを作りました。あとシナリオを入れようとなってからは、そのシーケンスイベント作成も担当しました。

小﨑

私は背景モデルの作成がメインで、ブロックとアイテムのモデルも作りました。結局背景は360度しっかりと作ったので、破綻が無いように先輩社員のアドバイスをもらいながら進めてました。

池上

自分はいろんなことしました。エフェクト作ったりUIに動きつけたり配置ツール作ったり。エフェクト作るのは苦戦しましたね。デザイナーなんですけど絵は描けないしMAYAもほとんど触れないし。よく他の三人にこの絵描いて、こんなメッシュ作ってとかずっとやり取りしてました。だいぶお世話になりましたね。

※MAYA…3DCG制作ソフト。※メッシュ…3Dモデルを構成するポリゴンのこと。

外川

私は主にキャラクター周りを担当しました。キャラクターデザインは、プランナーの人と相談しつつ進めて、あとアクション要素の強い作品だったので、対応できるようにモデルを作成していました。

このゲームの魅力って、ズバリどういう所でしょうか?

高倉

シブヤという場所に、突如として無機質なブロックが表れる異質感ですかね。あと、上を見ると逆シブヤがあり、そこからブロックが降ってくることで、これを登っていけるんじゃないかとなります。すっとゲームの中に入っていけるようなシステムや導入は、シンプルで面白いこのゲームならではと思います。

髙野

後々追加した要素で言うと、ブロックを吸い込んで吐き出して道を作るところは戦略が考えられますね。あと、自分としては何よりブチ公が一番好きです。何回かわいいと言ったことか(笑)

石島

キャラクター性もとても魅力があります。ブチ公やそれぞれの女子高生(主人公のワコ、逆シブヤに居るセイカ)もそうですし。あと、ブロックの異質感が際立ったのは、背景のシブヤがとてもリアルだったからだと思います。キャラクターの外川さんと背景の小﨑さんが頑張ってくれたおかげで、魅力的になったかなと。

プロジェクトは、どういう風に進んだんでしょうか?

鈴木

4月にキックオフして、30分でクリアできるものというお題をいただきました。その後はメンバー同士でアイデアをキャッチボールし合って、その中でジェンガという題材が面白いなという話になって、それでジェンガを登るゲームにしようとなりました。そこに世界観をどんどん足していったというのが、最初の動きになります。
世界観を固めるにつれ、ブロックが降ってきて、そこを生き延びようという話になりました。そこからきっと上に元凶があって、そこを目指すんだという話になり、そこからゲームルールやキャラクターが決まった形ですね。

三口

企画時期はプランニングに限らず、デザイン、プログラマーも色々意見を出して話し合って進みました。なかなかプログラマーやデザイナーが遊びの部分にガッツリ関わるって中々無いと思います。

石島

企画が固まった後はビジュアルを検討しました。キャラクターデザインやコンセプトアートの作成もこの時期に作成しています。プログラマーはこの時期ヒマだったりした?

三口

最初の方に、企画の詰めやビジュアルの検討をしっかりやっていたので、プログラマーはその間、先に出てきそうな仕様の検証や骨組みづくりをひっそり進めてたかな。
プランナーが詳しい仕様を作って、上がってきたヤツをプログラマーが作って、その間にデザイナーが素材を作る。分かりやすい開発の流れが組めていたかと。

鈴木

9月からはシナリオが入ってきて、そこからイベントや絵コンテを作るのが始まったかと。サウンド会社にもボイスやSEの発注をする必要があって、元々の作業と並行して手配しました。

ボイスまで入ってるんですか!?

鈴木

ボイスとサウンドは社外の制作会社さんに発注して作成してもらいました!プログラマーには、サウンド機能もプランナー側で調整しやすいように作ってもらいました。

終盤はデバッグ作業などもしたのでしょうか?

沖野

デバッグも行いました。特にブロックの中にキャラクターが埋まる現象は、最後までずっと発生し続けていたので。
方向転換するとカメラがカク付くバグとかもあった。あれ根本的な原因は分からなかったから、上手く誤魔化したような。

皆さんがそれぞれ苦労した所はどこでしょうか?

三口

僕個人としては、7~8月の中間発表(プロト版作成)の時期が大変だったかなと。最低限の必須機能を用意して見せる事ができるように、という話だったけど。つまりはゲームの根本的な機能はしっかりと作らなきゃいけないので、開発始まってすぐにガッツリやーと思いました。

髙野

終盤に、だるま落としみたいな感じで、下のブロックを取ったら上のブロックが落下する機能を入れる事になったじゃないですか、あれはどうでした?

三口

あれは、もうそういう要望が来る気配を感じてた(笑)。だから、ヒマな時にちょくちょく準備してて、意外と大丈夫だった。入れた後の不具合は予想通り多かったけど。

石島

自分は、角曲がりのモーションとイベントシーンですね。先輩社員もあんまりやったことないっておっしゃってたので。プログラマーの沖野くんとよく相談して進める必要がありました。キレイに実装するまでにめちゃくちゃ指摘もあったし、調整も大変だった。
プランナーは(一番苦労した所)レベルデザインじゃない?

高倉

そうですね、もう、やればやるほど自分が上手くなっちゃったんで(笑) もう何がなんだか分からなくなってきました。意見をもらうってことのありがたさを、しみじみと感じましたね。あと、目が疲れました。画面ずっと見てたりするので。
澤本さんはどうだった?

澤本

私はUIとかより遊ばせ方でずっと悩んでて、そこがキツかったかも。遊ばせ方が面白くないってなった時に正解が無いから、何をどうやったら色んな人が面白いって言ってくれるかなと。パズル系によった方が良いのではっていう意見も、アクションの方が良いんじゃないって意見もあって、どっちに行けばいいのか分からなかった。

沖野

アンリアルエンジンに慣れなさ過ぎて、そもそもどういう機能があるのかって。

髙野

自分もそこは苦労しました。一回慣れちゃうと、大丈夫なんですけど。ある意味、便利すぎて、こうやって作ろうかなと思ったら、もうすでにその機能はあるとか。

小﨑

最初の段階で逆シブヤというワードは出てたんですけど、それを形にするのは何度も何カ月もずっとやっていました。それが、さらにブロックになって落ちてくるという設定もあって。どういう仕組みで落ちてくるのかを考えた上でデザインする必要があるのが悩みどころで、プランナーさんとずっと相談しながらやってました。
世界観が独特だったので、それを表現するのはもちろんですし、今のシブヤ(地上の平成のシブヤ)との境目をどうするのかは、エフェクトの池上くんとも協力して作ってました。エフェクトと逆シブヤの境目をシェーダーでどう動かすかとか、さらにそれを処理軽くするにはといったところは先輩社員に相談してアドバイスをもらって、何とか形にできたかなと。

皆さんのこだわりポイントはあるでしょうか? 聞いておきながら、半分苦労した所にそのまま入ってる気もしますが(笑)

外川

やっぱり犬。フォルムから何からすべて、こだわり抜きました。

髙野

ぬいぐるみ作ってくれないかな(笑)

外川

ブチ公というマスコットキャラクター。

沖野

オフィスの入り口に飾りたいよね

外川

どうぶつのモデルを作るのは本当に初めてだったので、モーションの方で対応できるような形だったりポリゴンの流れだったりを意識して作ったので、こだわって作れたと思います。

今回経験できて良かったところはどこでしょうか?

髙野

自分はずっと一人で作ってたので、会社に入ってすぐチームで一つ作れた事そのものが本当に大きかったです。

高倉

このプロジェクトが終わった後、主要プロジェクトに配属されたんですけど、既に開発フェーズが進んでいる状態なので、最初からゲーム作れるのは珍しい体験かなと思いました。

小﨑

プロジェクトで専門的な仕事をしていると、プランナーやプログラマーが近くにいないので、どういう事をしている人なのか理解が深まったなと思いました。自分とは違うどういった仕事をしてくれている人で、その人とどういう風に連携取ったらいいのかとか。

三口

チケットという単位でタスクを管理していたんですが、学生制作の頃はここまできちんと管理はしていなかったので、その辺りを事前に行えた事は良かったですね。今までこれができたら次はこれをやろうみたいにその場で動いていた作業を、事前にタスクの工数を見積って、先々まで考えて進めていく感覚は仕事だなと感じました。実際のプロジェクトに入る前に練習できた事が大きかったです。

※チケット…作業内容、担当者、期日等を1タスクごとにまとめたもの。これを並べることで作業の順番や優先度が簡単に管理できる。

鈴木

自分はゲーム制作自体が初だったので、全部が初体験で全部がためになりました。それこそUEの起動経験が無いぐらいだったので、思ったより最初から結構動かせるんだとか。そういった事を本当のプロジェクト入ってからだと、やる余裕がない。
それが今は、序盤は大体こういう事があって、中盤にはこういうパートがあって、終盤はこういう事するだろうっていう全体の流れまで分かるようになりました。

スパイク・チュンソフトに実際入ってみてどういう会社だと感じました?

髙野

どのセクションも上長と結構コミュニケーション取りやすそうだなと。

鈴木

意見が言いやすい。これやっていいですかとか。最近も、自分で言いだして着手した作業にもちゃんとフィードバック返してもらえてます。

石島

結構自分は、ゲーム好きだけど周りに広言せずに生きてきたので、周りがゲーム好きでうれしい。

三口

色んなゲーム触っている人が多くて、何の話しても誰かしら分かってくれる。

スパチュンに入社した決め手ってなんでしょう?

小﨑

スパチュンのゲームが好きだから。(即答)

石島

みんなそうかも?シレンやダンガンロンパとか何かしら好き。

髙野

……自分は実は何もやった事がなくて(笑)担任の先生の勧めで受けたところはあるんですけど。でも内定者アルバイトの頃から楽しくて、ここで働けるんだと思いながら今に至ります。

三口

オリジナルと受託、ローカライズどれも手掛けてて、どれにも関われる可能性があった所ですね。あと何よりオリジナルがしっかり売れている会社って少ないので。いろんな経験が積めそうかと。

※ローカライズ…海外作品を国内向けに調整して市場に売り出すこと。またはその逆のパターン。

今後入社したいと思う人に、何か伝えたいことはありますか?

鈴木

今後も、この(新卒)プロジェクトが続くなら、未経験でも慣れてから仕事に入ってもらえるかなと思います。
あと、個性豊かな先輩社員が…(笑)

一同

(笑)

澤本

いやでも、本当に個性は大事にしていると思いますね。みんなはこういう事が得意なんだっていう所をよく見て、活かして働いている気がします。今回のプランナー三人も得意な所に入って動いてましたし。

髙野

入る前は、仕事ってすごいカッチカチの印象だったんですけど、いい意味で硬い感じがしない所が良いですね。雑談とかいろいろ聞こえてくるし、いい空気感だなと。仕事っていうものの印象が変わりました。会社の部活制度もありますしね。

石島

会社によっては、ゲーム会社でも全くしゃべらないところもあるって聞くので、うちの会社の特徴じゃないかなと。

三口

みんなちゃんと面白くしようとして働いてますよね。すごい当たり前なのかもしれないですけど大事な事だなと。みんなちゃんと今作っているこれを、より良くするために頑張ろうっていう所は感じますし。それでいて、個人の熱意や個性は大切にしてるし。

石島

でも、この過ごしやすさは結構このプロジェクトがあるのも大きいとは思うんですよね。同期の存在ってありがたくて、ちょっとしんどい時も話せるし。

三口

やっぱりこのプロジェクトの一番良いところはそれじゃない? 同期が仲良くなれると思います。

髙野

心の拠り所が作れるのは本当に大事。


プレイ動画・生放送について