INTERVIEW

社員を知る

INTERVIEW #2

大ヒット発売中の完全新作ゲーム
「超探偵事件簿 レインコード」チームを座談会
形式で総力インタビュー!
KADOKAWAグループでゲーム制作に関わる
皆様のお仕事とその魅力を、詳しくご紹介します。


MEMBER


プロデュースグループ
プロデューサー

榊原 昌平

Shohei Sakakibara

2019年にゲーム会社から中途入社。
デザイナー出身でありながら、現在はプロデューサーを務めている。


趣味/マイブーム 子供を連れて釣りに行く


第一開発グループ プランニングセクション
ディレクター

鈴木 崇弘

Takahiro Suzuki

2011年にゲーム会社から中途入社。レインコードではゲームのディレクションを担当。


趣味/マイブーム 音楽、ゲーム


第一開発グループ デザインセクション
リードデザイナー

大橋 達範

Tatsunori Ohashi

当初アルバイトとして加入し、2004年から社員に(今回のメンバー内では一番社歴が長い)。以降、モーションデザインを担当している。


趣味/マイブーム 仕事が趣味の延長・・・最近は断捨離も頑張っています!


第一開発グループ プログラミングセクション
アシスタントマネージャー

永田 潔

Kiyoshi Nagata

2012年に前職からの出向で加入し、そのまま社員に。以降、プログラミングを担当している。


趣味/マイブーム ゲーム(家族と一緒にオンラインゲーム)


第一開発グループ プランニングセクション
リードプランナー

瀨田 裕麻

Yuma Seda

2018年に当時派遣社員として加入し、そのまま社員に。レインコードではプランニングを担当している。


趣味/マイブーム バスケ、ゴルフ、マジック:ザ・ギャザリング


第一開発グループ デザインセクション
リードデザイナー

山村 大樹

Daiki Yamamura

2006年入社し、以降背景のモデリングを担当。


趣味/マイブーム ドライブしてお城などの古い建物やダムなどを観に行く


第一開発グループ デザインセクション

栗田 英明

Hideaki Kurita

2020年に当時派遣社員として加入し、そのまま社員に。以降、エフェクトデザインを担当。


趣味/マイブーム ゲーム(最近はアーマード・コア6)、キャンプ


第一開発グループ デザインセクション
リードデザイナー

神崎 伸義

Nobuyoshi Kanzaki

2010年にアニメ会社から中途入社。以降キャラクターモデルを担当。


趣味/マイブーム サバイバルゲーム、合羽橋での食器屋巡り、最近は新調した加湿器に感動しています!


まず、ゲームにおける「プロデューサー」と「ディレクター」に ついて、その違いや現在の仕事内容を教えてください。

鈴木

プロデューサーとディレクターはやってること自体は明確に違いますよね! ディレクションの方から説明すると、開発しているグループ側の「監督」のようなものですかね...ゲームの中身に関するものを細かく見たり、こういう形で開発していきましょう!とか、ここの部分の仕様はどうしましょうかであったり、この人と一緒にこうやって進めてください、みたい感じで指示していくのがディレクションだと思っていただければ。

あとは元々自分はプランニングセクション(プランナー)におり、ゲームの仕様書を書いてゲームをどう動かすかを決めていた中で、その延長として開発のディレクションをやらせていただいています。結論として、ゲームの中身や構造を知っているので、じゃあ皆で作りましょう!というのがゲームディレクターの役割ですね。

榊原

プロデューサーはそれ以外の全てです(一同笑)
開発側はディレクターにお任せしていて、まあそこに口を出さないこともないんですが、基本的に予算やスケジュール、プロモーションをどうするかを統括して、また監修など各チームと連携してゲームタイトルの外向きの調整や管理をしていく役割になります。

そもそも、どうしてゲームディレクターやプロデューサーになろうと思ったのか。

鈴木

元々ゲームが大好きで、ゲームを作りたいなって思ったのが最初ですね。あと、その当時は面白いゲームを作りたいのに自分のやりたいゲームがないとも思っていました。元々音楽をやっていたこともあり、ゲームはチームで作るという点にも惹かれてプランナーになりました。

過去作品だと、「アイドルマスターシリーズ」を手がけていて、音楽が好きなので演出も考えたりして楽しかったです。
直近ですと「ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期」も携わりました。「超探偵事件簿 レインコード」に繋がる作品として非常によかったなと思っています。ただこの「V3」製作はデスマーチでしたが(笑)ゲームはスタッフみんなの頑張りによってできていますし、途中1人でやってるとくじけそうになったり、本当にこれでいいのかな...と思うところも周りと一緒に支え合って作っていけるところがこの仕事の非常にいいところだと思います。

榊原

僕は前職では新卒入社時からデザイナーをしており、様々なゲームに関わってきたのですが、もっと現場の人間が自由にゲームを作れるようにできないかと考え、そのためにはある程度偉くならないとなあ...というのを漠然と思いながらここまで頑張ってきました。踊る大捜査線のギバちゃん(柳葉敏郎)みたいになりたくて、「現場は青島に任せた、俺は偉くなってお前らの環境を良くするぜ」とカッコつけてたつもりなんです。ただ、実際に偉くなってプロデューサーになってみると、やりたいことはやれないので、どっかで間違えたかも(笑)

鈴木

でも実際、すごく開発の現場に融通利かせてくれていますから、榊原さんは。

榊原

ありがとうございます。いいプロデューサーだって現場に言ってもらえるのが幸せです。
今までで特に印象に残った仕事は新卒入社して最初に手がけた「クロックタワー3」ですね。その当時は面識がなかったのですが、プロジェクトマネージャーの坂本豊和さんや、「超探偵事件簿 レインコード」でシナリオを担当する小高 和剛さんが実はいらっしゃって、なんと一緒にモーションキャプチャーなどの仕事をしていたんです!20年以上を経て、同じタイトルで集結したのはとても感慨深いですね。

モーション担当の、現在の仕事内容とチーム内での役割を
教えてください。

大橋

キャラクターモーションデザインといって、3Dのキャラクターを動かしたり、そういうデータを作るのがメインの業務なのですが、今回「超探偵事件簿 レインコード」に関してはその作業は他のスタッフにお任せして、素材を生かしてどう見せるのかというのに注力しました。というのもほぼイベントだらけなんですよ今作は。特殊というか、珍しいパターンなのかもしれませんが、実際のシナリオをどう見せていくかが重要でした。大変でしたね!

鈴木

大橋さんがいなかったら、このゲームはなかったレベルですね。映画的な手法で見せていくイベントが多いので、それを全部作れるということで「イベント演出」として今作の根幹をお任せした形になります。ぶっちゃけ映画作ってもらうのと大変さは変わらないかと。

大橋

「ダンガンロンパ」シリーズだと、ある程度は言葉で状況説明することが多かったりするんですが、今回「超探偵事件簿 レインコード」はそういう文字部分は極力省いて絵だけで説明しないといけませんでした。派手な演出を作るのも重要でしたが、細かい部分、例えばシャッターを開け閉めするギミックなどの箇所に結構な時間がかかりましたね。これはトリックにも関わってくるので適当に作ると色々な不具合が起きてしまいます。あとはいかにイベント演出で笑わせるか、ユーモアを表現したり...自分の頭では想像できているけれど、それを形にするのはだいぶ時間がかかりましたね...ちょっと色々反省点もあり、次の担当作品に活かしていきたいと思います。

そもそも、どうしてモーションデザイナーになろうと思ったのか。

榊原

自分もゲームを作りたい、ゲームの仕事をしたいなと思ったのが中学2年生の時ですね。それまではそういう仕事で生活できるという発想や感覚は全然持っていなくて、でもゲームが好きだったのでそれもありなんじゃないかと急に思い立ちました。でも当時はインターネットとか携帯電話とかもろくにない時代だったので本当に何していいか分からない。

家にMSX(※1983年に旧(株)アスキーが提唱したPC共通規格)というホビーPCがあったので独学で勉強したりして...当時は資料とかもないし、聞く人もいないし、本当にちょっとずつ学んでいった感じです。あとはゲームを作るには絵とかも描けたほうがいいだろうと思い、上京してデザインの学校に行き、その在学中にアルバイトとして旧(株)スパイクで半年ほどお世話になり、そのまま入社しました。

ちょうどその頃はPlayStation 2が全盛期で、最初にやった仕事はプロレスゲーム「キング オブ コロシアムII」です。全然プロレスには興味なかった(笑)でも1ヶ月後にはハマってました!毎週金曜日に後楽園ホールまで足を延ばして、試合を席で観るんです。実際の業務でも当時のゲームプランナーが資料として集めてくれたVHSビデオをコマ送りで観て、些細な動作の違いやアピールポイントを観察しながら、同じ種類の技でも手の組み方がちょっと違うんだなとか、色んなこだわりを学びましたね。今でもそういう細かさを大事にしています。

キャラクター担当の、現在の仕事内容とチーム内での役割を教えてください。

神崎

キャラクター班と言っても実は作業は細かく分類でき、モデルを作ったり、付属するオブジェクトや武器を作ったり、UIで使うようなキャラクターのチップなどの細かい制作物も実はキャラクター班が担当しています。また本作は社内で開発しておりますので、キャラクター制作に関わる仕様まわりの決定や検証も行ったりしています。ゲームで必要なギミックの検証だったり、質感の検証だったり...多岐に渡りますね。今作「超探偵事件簿 レインコード」でも同様の業務を行いましたが、自分はリードデザイナーなのでそういった検証をしつつ、部下のサポートも行いつつ...という感じでした。 今回苦労したのは2点あります。 1点目は開発中、COVID-19が流行してリモートワークに移行したことですね。社内全体がバタバタしており、慣れない作業環境と、先の見えない世界情勢の中に不安を感じました。ただ、会社の対応はとても早く、機材を迅速に手配してリモート体制を整えてくれたのでそこはとても助かりました。あのサポートがなかったら発売には至らなかったんじゃないかなと思います。 2点目はモデルを作るところで、作品の世界観を崩さないように検証を行いながら作業をしたことです。他パートとすり合わせながら仕様を決めるところは難しかったです。

そもそも、どうしてキャラクターモデルの仕事をしようと思ったのか。

神崎

CGを作り始めたころからキャラクター以外はあまり考えてなくて(笑)もうゲーム会社に応募した時もキャラクター班しか志望してなかったですね。自分はこのキャラクターモデルが花形の仕事であると自負してますし、多分このセクションが一番やっていて楽しいのではないかと思っています。 過去作品ですと、「JUMP FORCE(ジャンプフォース)」、「ワンピース バーニングブラッド」など受託案件をいくつか手掛けてきました。特に「JUMP FORCE(ジャンプフォース)」は印象に残っていて、実はそこから使用するエンジンが自社製からUnreal Engineに変わったんです。最初は覚えることが多く、だいぶ試行錯誤を重ねた一方で、やれることや表現の幅がとても広がったのがとても印象に残っています。

背景担当の、現在の仕事内容とチーム内での役割を教えてください。

山村

自分は背景班のリードという立場で、実はもうモデリングはそこまでやってなくて、全体のクオリティラインを決めたり、スケジュール管理だったり、基本仕様の部分をまとめています。
今作「超探偵事件簿 レインコード」ではイメージボード自体はTooKyoGames(トゥーキョーゲームス)さんが作られていて、それを基に背景を作っていくのですが、すべてのシチュエーションに対してイメージボードが用意されるわけではなく、そして3Dの背景だと2Dのイメージボードでは描かれていないような部分も必要になってきます。なので足りない部分は背景チームで考えないといけなくて、自分達で描いたりすることもありますし、そのままモデルを作り起こしていくこともあります。つまり世界観をイメージしつつゲームの仕様に合わせて3Dの背景を制作していく作業がメインで、そこがずれていないか、このクオリティでいいのかをまとめていくのが業務になります。

そもそも、どうして背景モデルの仕事をしようと思ったのか。

山村

中学生の時に、3DCGを使った映像作品であったり、PlayStationが発売されてゲームで3Dが動くのを目の当たりにして、3DCGを使った仕事をしてみたいなと思いました。美大志望だったのですが、3DCGを勉強できる学部がちょうどあったので、技術水準はまだ非常に低かったのですがそこで勉強しました。結構面白かったです。就職先としては映画やCMを制作する映像関係でもいいかなとは思ったのですが、やはりゲームが好きだったのと、インタラクティブなコンテンツ制作に興味を持っていたのでゲーム業界を第一志望にして受けていたら、旧(株)スパイクに採用してもらいました。

実はモデラーであれば職種には特にこだわりはなかったのですが、背景チームに配属になったところ、元々の趣味で風景や古い建物を見るのが好きなのがとても活かせて性に合っていたなと思いますし、仕事でもやりがいを感じることが多いですね。

初の担当作品はバンダイナムコゲームス(現・バンダイナムコエンターテインメント)からの受託だったPlayStation 2「ドラゴンボールZ Sparking! NEO」です。元々ドラゴンボールが大好きだったので、その背景を作れたのは楽しかったですし、このシリーズはプレイしてくれているユーザーが多く、このソフト作ったよと言うと「やったことがある!」と返して下さる方が多いのが印象的ですね。

エフェクト担当の、現在の仕事内容とチーム内での役割を
教えてください。

栗田

ゲームの中、つまりは3D空間に出てくるエフェクト、例えば炎であったり、ビームであったり、「超探偵事件簿 レインコード」では雨などを実際に作り込んでいく仕事になります。他にも3D空間ではないのですが、3Dに配置したものが2次元である画面に出てくる際に、その画像に対してエフェクトをかけていくポストプロセスという、キャラクターでもUIでも背景でもない作業も担当しています。

今作は雨のエフェクトが一番骨が折れましたね...雨はどうしてもたくさんの粒で構成されているので、見た目をできるだけ維持しつつ、処理負荷も気にしないといけないというところで、完パケ直前までちょこちょこ触って試行錯誤していました。

そもそも、どうしてエフェクトの仕事をしようと思ったのか。

栗田

別業界の情報システム会社で働いていたんですが、自分がやりたい内容とはちょっと違うなと思ったんです。元々は大学時代に動画像処理の研究をしていたこともあり、やっぱりグラフィック系のものづくりができる仕事に就きたいなと思いました。

色々考えた結果、ゲーム好きだったのもあり、勉強しなおしてゲーム業界にチャレンジしてみようとなり、結果としてスパイク・チュンソフトに拾ってもらった形になります。私は途中からのプロジェクト参加ではありましたが、「超探偵事件簿 レインコード」に携わることができてよかったと思っています。

プログラミング担当の、現在の仕事内容とチーム内での役割を教えてください。

永田

メインプログラマーとしてゲームを動かす根幹となるプログラムをプログラミングのチームで作っていくのと、他のパートであるプランナーさん等と相談しながら仕様を組み上げていき、最終的にSwitchのプログラムに落とすというのが業務になります。

でも本当にずっと苦労しています...(笑)「超探偵事件簿 レインコード」はオリジナルタイトルだったのでそもそも正解が分からない。ずっと試行錯誤の連続で、1回プログラムを作ってみては、あーやっぱりこれはちょっと違うねとなって作り直すというような形で少しずつプログラムを作り直しては進んできた印象ですね。なのでとても時間がかかりましたけど、いいものができたかなと思います。

そもそも、どうしてプログラミングの仕事をしようと思ったのか。

永田

元々ゲームは好きで、親から買い与えられてやっていて、高校生の時くらいからPCも買ってもらってそれで遊んでいました。大学でも色んな開発言語や仕組みを学んだのですが、ゲームのプログラマーになるという考えは全然なく、全然ゲームに関係ない職種に就職したのですが、そこで友人が「ゲーム会社作りたいから一緒にこの会社入ってみないか?」と誘ってきたんですね。それで前職に入ってゲーム関連の仕事をしていたら、旧(株)スパイクからの出向依頼でオリジナルゲームの開発に協力してほしいということになりました。それがあの「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」でした。

ダンガンロンパも当時はオリジナル作品を一から作る試みだったんですが、プランナーさんが「こういうムービーを作って、裁判シーンをやりたい!」と仰って、ならこういうプログラムにしましょうという相談を直に頂いていたのが印象に残っています。かなり熱量高く開発できたかなと思います。

プランナーの、現在の仕事内容とチーム内での役割を教えてください。

瀨田

プランナーの仕事は主に2つあります。まずは登場人物であったり、ミニゲーム、今回だと謎迷宮やマップの構造などの仕様書を作り、こういうのが作りたいという「お願い」をすることです。プランナーは他パートと違って、イベントやエフェクトやプログラムを作ったりということができないので、仕様書を作って各所に作ってもらうということですね。

そしてもう一つがゲームの「流れ」を仮組みすることです。ここをユーザーが歩いて行って、ここに来るとイベントが発生する...などを考えて、ゲームの土台を作っていく作業になります。ここでゲームの道筋をすっと考えて作れればいいんですけど、実際は「ここおかしくねえか」と各所からツッコミが来て、設定し直すという(笑)

そもそも、どうしてプランナーになろうと思ったのか。

瀨田

私は前職では電気工事の現場監督をしていたんです。そして社会人あるあるだと思うのですが就職して3年目くらいになって「もう辞めたい」となり、辞めてしまいました。じゃあ辞めて何をするかとなった時に小さいころからゲームが好きだったので、折角ならゲーム業界を目指してみるか!と思い立ち、ゲームの専門学校に通いました。初めはプランナーになろうとは思わず、イラストを描いたりしてデザインの勉強をしてたんですよね。でも就職した会社で「お前は現場監督やってたんだから管理やれ」と言われて、プランナーになってしまいました。その会社も半年でなくなってしまい、その後は派遣社員でスクリプト(簡単なプログラミング言語を使って、キャラクターを動かしたり、ゲームの遷移を作る作業)を色んな会社でやって、最終的に弊社にたどり着いた感じです。

その派遣であちこち行っていた時期にPlayStation 3「アイドルマスター ワンフォーオール」に携わったのですが、めちゃくちゃ楽しかったですね!イベントシーンを作ったのですが、チームの皆がとても仲が良く、初めて開発したコンシューマータイトルだったこともあり、非常に印象に残っています。

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