初めて遊ぶ方

何から遊べばいいのですか?
初めて遊ぶ人は"ミッションモード"から遊ぶのがオススメです。組んでからボタンを押すタイミングや操作方法を学ぶことができます。
技をかけるタイミングがよくわかりません。
組んでから腰を落とした瞬間ではなく、組んだ瞬間がボタン入力のタイミングです。
レスラーが近づくと自動で組む動作に入るので、動作をよく見て入力しましょう。
操作方法がわかりません。
操作方法はオンラインマニュアルに記載されていますのでご確認ください。

ネットワーク関連

FPW NETとは何ですか?
自分が作成したレスラーをアップロードしたり、世界中のユーザーが作ったレスラーをダウンロードすることができる仕組みです。
オンライン対戦やFPW NETで遊べません。
オンライン対戦やFPW NETで遊ぶにはPlayStation Networkへの接続が必要です。
FPW NETの表示がされません。
オンラインパッチを当てることで表示されます。PS4のネットワークの設定を行ってください。
アップデートの方法について教えてください。
オンライン接続時に自動的にアップデートがかかります。アップデート内容によってはアップデートするまでオンラインマッチなどが遊べなくなります。
FPW NETでサブスクライブしたエディットレスラーが表示されません。
エディットレスラーをサブスクライブした後は、一度ゲームを再起動する必要があります。
PSボタンを長押ししてアプリケーションを終了するを選択し、再度ゲームを開始してください。
クリエイトモード>チームエディット>レスラー移籍 の一番下にある 引退(未登録)からサブスクライブしたレスラーを確認することができます。
オンライン対戦の"プロレス""セメント"の違いって何ですか?
イデオロギーの違いです。いかに美しく楽しく遊ぶか、という方がプロレスです。
対戦でいかに勝つかを目的とするのがセメントです。
自身の美学に合わせてオンラインマッチを楽しむことができます。

収録コンテンツ関連

収録レスラーについて教えてください。
SWAのオリジナルレスラーと新日本プロレスの実名選手が収録されています。
今回は旧作に入っていたレスラーは収録されていません。
コラボして欲しい団体や作品についての希望はアンケートなどで受け付けております。
収録されているボイスについて教えてください。
新日本プロレスの選手のボイスは、ほぼ新規収録されています。※一部収録されていない選手もいます。
収録されている入場曲について教えてください。
新日本プロレス所属選手の入場曲が収録されています。※USBによるカスタムサウンド機能を後日アップデートで追加予定です。
XX選手が入っていないのですが。
新日本プロレスのジュニアヘビー級選手は後日DLCにて配信いたします。すべての収録選手については後日アナウンスいたします。
それ以外の選手についても多数ご要望いただいておりますので、別途アナウンスさせていただきます。
シーズンパスって何ですか?
今後配信予定のジュニアヘビー級DLC、団体運営モード、追加シナリオの3つのDLCを購入したことにできるフリーパスです。それぞれを単体で購入するよりお得な価格で購入できます。

Steam版との違い

Steam版とPS4版の違いは?
PS4版では主にUIのアップデートと新日本プロレスの実名選手が追加されています。 Steam版ではUIのアップデートを後日無料で行い、新日本プロレスの実名選手はDLCとして販売します。
Steam版でミッションモードをプレイ済みでも、PS4版でもう一度やり直さなければいけないのですか?
すべてのミッションモードを開放することができるコマンドを用意してあります。メインメニューでR1L1△を押しながらR3(右スティック)を押してください。成功すると決定音がなります。
Steam版の新日本プロレスDLCはいつ配信されますか?
9月に配信予定です。
ムーブクリエイト解説書 ムーブクリエイト解説動画

松本Dの 酒だ! トークだ! ファイプロだ!!

『FIRE PRO WRESTLING WORLD』(『ファイプロW』)ディレクターの松本朋幸が、
『ファイプロ』好きなゲストと酒を飲みながら、『ファイプロ』談義をする当コーナー。
記念すべき第1試合は、『ファイプロW』開発プロデューサーの小林高志氏(ZEX)と、開発ディレクターの田村季章氏(ZEX)が参戦。
しょっぱなから開発キーマンの登場で、トークも白熱!

【写真左】
小林高志(こばやし たかし)
開発プロデューサー兼ディレクター
プレイステーション2版『Z』で開発ディレクター兼メイン企画、『リターンズ』では開発プロデューサーとして参加。Mobage版では再び開発ディレクター兼メイン企画で参加。

【写真中】
田村季章(たむら としあき)
開発ディレクター兼メイン企画
ヒューマン入社後、PCエンジン版『ファイプロ3 Legend Bout』にグラフィックスタッフとして参加、その後スーパーファミコン版『SPECIAL』、『クイーンズスペシャル』、『X』、サターン版『S』でグラフィックリーダーとして参加。プレイステーション版『G』、ドリームキャスト版『D』でメイン企画とグラフィックを兼任。プレイステーション2版『Z』ではサブ企画、『リターンズ』では開発ディレクター兼メイン企画で参加。

【写真右】
松本朋幸(まつもと ともゆき)
総監督
『ファイプロ』を作りたくてゲーム業界に飛び込み、『ファイプロG』にてシナリオ、企画を担当。その後、ワンダースワン版や、他のプロレスゲーム開発に携わる。自身の看板タイトルである『喧嘩番長』では、『ファイプロ』愛をいかんなく発揮。

『ファイプロ』が復活した経緯

――
今回は第1回目ということで、『ファイアープロレスリング ワールド』(以下、『ファイプロ ワールド』)開発チームの皆さんにお越しいただきました。12年ぶりの『ファイプロ』復活ということですが、まずは復活の経緯を教えてもらえますか?
松本
『ファイプロ』が好きだったから、ですかね(笑)。
一同
(笑)。
――
『ファイプロ』シリーズの新作を作りたいというお話はずっとされていたのでしょうか?
松本
ずっとしていましたね。僕がスパイク・チュンソフトに入社してもう8年目か9年目になるのですが、これまで5回ぐらい『ファイプロ』の企画書を提出していたんですよ。そのときにも小林さんには、いくらぐらいで作ることができるか、という資金面の相談をさせていただきました。
小林
『ファイプロ・リターンズ』(2005年/以下、『リターンズ』)が終わってから毎年のように新作の話が上がってはしぼみ、のくり返しで。道のりは長かったね。
松本
長かった。毎年春ぐらいになると『ファイプロ』の企画が出てきて、社内でも風物詩だなんて言われていましたからね(笑)。
――
企画を却下された際に、採用できない理由を言われたりはしましたか?
松本
明確には言われていないのですが、シンプルに採算が取れないという部分はあったと思います。やっぱりビジネスなので、経営陣も『ファイプロ』が好きなんだけど、なかなかゴーサインは出せない。そういう状況だったのではないかと。
――
しかし9年間かけて、5回目の提案でとうとう企画が通りました。今回ゴーサインが出た決め手は何でしょうか?
松本
やっぱりSteamの市場が広がってきたことが大きいですね。会社としても可能性を感じられる規模の市場になったおかげで、「ちょっと試してみてもいいかもな」という空気が出てきたんですよ。
――
では最初はPlayStation4ではなく、Steam版だけが予定されていた、と。
松本
そうです。ただ、「いやいや『ファイプロ』を待っているファンはコンシューマー市場にもいるぞ!」と言ってですね、「やれんのか!」と(笑)。
一同
(笑)。
――
企画が通ったときはやはり皆さんうれしかったですか。
松本
もちろんうれしかったですし、何よりOKを出してくれた会社の漢気にびっくりしましたね。感動しましたよ。Steamの市場が大きくなってきているとはいえ、この先どうなるか分からないですし、日本のユーザーが付いてくるかも分からない。そのなかでゴーサインを出したうちの櫻井(※1)は漢ですね。すごいです。
※1 スパイク・チュンソフト代表取締役社長の櫻井光俊氏
小林
企画が通ったと聞いたときも、最初は半信半疑でしたね(笑)。
松本
9年間くらい“やるやる詐欺”でしたからね。
一同
(笑)。
小林
でも本当に企画が立ち上がるとわかって、やっぱり社内で歓声が上がりましたよ。皆で「やれんのか!」って(笑)。

田村氏の参加は奇跡的

――
12年ぶりの『ファイプロ』というのもすごいですが、これまでの『ファイプロ』に関わってきた方々がまた集結したというのもすごいですよね。
松本
奇跡的ですよね。田村さんなんて最初に企画を立てたころにはぜんぜん別の仕事をされていましたからね。
田村
そうですね。松本さんと小林さんからお話をいただいたときは、「いまは別の仕事が忙しいので」とお断りしていたんですよ。それから何ヶ月か経って、また企画が潰れたのかな、と思ったのですが……(笑)。
松本
今回は違いました(笑)。
田村
しばらくした後に、「今度は本当に動きそうだから、手伝ってくれないか」と言われまして。それがちょうど仕事の契約が切れるときだったんですよ。なので最初のときに企画がスタートしていたら、逆に僕は参加できなくて困っていたところなんですよね。
小林
タイミングがよかったね。
田村
僕個人としても、今回が『ファイプロ』の記念すべき10作目なんですよ。「9作で終わりか……」と思いながら12年を過ごしていたところに10作目のお話をいただけて、しかもおまけの手伝いではなく、メインで関われるというのは本当にうれしいです。予定していた休みはキャンセルになっちゃいましたけど(笑)。
一同
(笑)。
松本
ちょうど契約更新の時期というのはタイミングがよかったんですけど、ふつうはそのまま契約を更新しますよね。そこで「『ファイプロ』ならやります!」となってしまうところが、いい意味で馬鹿だなぁって思います(笑)。すげぇな、と。
田村
契約更新のお話も振っていただいていたので、先方にはすごく謝りました(笑)。ただあちらも、僕が『ファイプロ』を作っていたことを知ってくれていたので、「じゃあしょうがないですね」と、最終的には気持ちよく送り出していただきました。
――
プロレスで言うところの円満移籍ですね。
田村
そうなんですよ。珍しいケースですが。
松本
だからこそ継続していかないとダメですよね。1発で終わってしまうのではなく。まだまだやることはいっぱいありますから、お願いしますよ田村さん。
田村
がんばります(笑)。
――
「『ファイプロ』のためなら」で人がまた集まるのはアツいですね。運命的というか。
松本
本当に。今回は作るべくして作っている感じがしますね。『ファイアープロレスリングG』(1999年)のときは田村さんがメインプランナーで、僕はその下に就いていたので、僕にとって田村さんは師匠のような存在なんですよ。今回も立場が違うとはいえ、同じように田村さん主体で作らせてもらっているので、「田村さんに頼めば何かやってくれる! 田村さんなら!」という期待感がありますね。
田村
いやいや(笑)。
――
企画が通っても人が集まらなかったらどうしよう、といった不安もあったと思いますが。
松本
最初はもう、新作を作れるか作れないか、という部分だけでテンションが上がっていましたね。企画が通った後で「やばい、人集まるかな」みたいな(笑)。
一同
(笑)。
松本
でも結果的に集まってくれましたから。よかったです。

開発の苦労と反響

――
12年ぶりの開発となるとハードも全然違いますよね。コンシューマーで言えばPlayStation2からひと世代飛んでPlayStation4です。実際に開発が始まってからの苦労も多かったのではないでしょうか?
田村
やっぱり大きかったのはグラフィック面ですね。『ファイプロ』というものを表現するうえで、これまでの見た目のイメージを引き継いでいきたいという考えは、コンセプトの時点からありました。ただ、『リターンズ』のころの素材は解像度的にも使えるものではなかったんですよ。
松本
そのまま使ったら画面上によくわからない小さい線とかが表示されるような状態でしたからね(笑)。
田村
昔は解像度が変わるときには単純にドット数を4倍にして、少し手直しをして綺麗に見せるような加工をしていたんですね。ただ、いまの解像度はもうドット絵っていう世界ではなくて、手で打つものではないんですよ。なのでこれまでの方法は使えない。そこで拡大してからフィルターをかけるといった方法を考えたのですが、これも意外とそのまま使うことはできない。
松本
単純に大きくするとジャギジャギした部分が見えてしまうし、それを隠すためにフィルターをかけると、今度はボケボケになって見えなくなっちゃうんですよ。
田村
プログラムでフィルターを調整しようとしても、意図しないところに変な線が入ってしまうこともあったりするんです。なので、見た目についてはまだまだブラッシュアップをかけている状態ですね。
――
ただ、現時点でも十分「これぞ『ファイプロ』」なクオリティーになっていますよね。12年ぶりの復活、しかもこの『ファイプロ』感、やはりユーザーからの反響も大きかったのではないでしょうか?
松本
ありましたね、すごく。
小林
本当に、世界中から反応をいただけましたね。
田村
あれはうれしかったです、本当に。
松本
Twitterなんかでも毎日のように海外の方から質問をいただいているんですよ。ただ僕、英語ができないので、もうグーグル翻訳フル稼働ですよ。
一同
(笑)。
松本
でもグーグル翻訳だと日本語が変になって、けっきょく意味がわからないじゃないですか。なのでデイブ(※2)に翻訳してもらって、返事も「こういう風に返してあげて」と日本語で伝えたことを訳してもらったりしながら、コミュニケーションをとっています。
※2 スパイク・チュンソフト コミュニティマネージャーのクレーカ・デイビッド氏

印象に残ったユーザーの声

――
『ファイプロ ワールド』の発表からこれまでにもらったユーザーのコメントで、印象に残っているものはありますか?
小林
「待ってたよ」という声がものすごく多かったですね。
田村
やっぱり、「ずっと昔にやっていたけど、復活するんだね」という声は数も多かったですし、一番うれしかったですね。『リターンズ』のころは時代的なものもありますが、あまりユーザーさんからの反響をいただけていなかった印象があるんですよ。
松本
当時はSNSがそもそもなかったですからね。
田村
特定の掲示板を見たり、個人でホームページを作っているような方の書いたことを見ることはできましたけど、逆に言えばそこしか見られませんでしたからね。いまは適当にネットサーフィンをしているだけでも反響をものすごく多く得られるじゃないですか。単純に物量で驚きますよ。『ファイプロ』にこれだけ多くの人が反応してくれるんだ、という。
松本
発表直後は「復活させてくれてありがとう」の声がすごかったですね。むしろこちらこそありがとう、待っていてくれてありがとう、なんですけど。でも少し経つと「あれが欲しい」、「これが欲しい」と。出たな、という声も上がってくるようになって(笑)。
一同
(笑)。
小林
これまでの『ファイプロ』シリーズですと、ユーザーが交流する場所は2ちゃんねるしかなかったんですよ。それで、まだ何も発表していないのに「アイツが出る」、「あの技が入っている」と、噂がひとり歩きすることが多かったんですよね。
田村
インターネットではよくありますが、誰かが憶測で書いたことを、別の誰かが事実として書き始めることが多くて、当時は見ながら冷や冷やしていましたね(笑)。
小林
発売した後に「あの技が入ってるって聞いたのに入ってないじゃないか!」みたいに言われたりね。誰もそんな話はしてないよ! っていう(笑)。これまではそういうことが多かったのですが、いまではユーザーの待望論が聞けるということで、作り手の励みにもなっていますね。
松本
ユーザーの声が直接聞けるので、実際に実装できるかどうかはさておき、気になっちゃうんですよね。
小林
やっぱり言われたか、みたいなこともあったりしてね。
――
まだ発表していないけど入ってますよ、だったらいいんですけどね。
田村
気持ちはわかる、わかるんだが……! みたいなのはありますね。「それ俺も考えたよ!」みたいなこともいっぱいあります(笑)。

現在の開発状況は?

――
ゲームの開発にはマスターアップの期限がありますし、とくに昔はアップデートなどもなくて、作ったらそこで最後でしたよね。だからこれまでも「あれもやりたかった」のくり返しだったと思います。『リターンズ』のときから考えれば、『ファイプロ ワールド』は12年間の「これもやりたかった」をぶつけられる最新作にもなりますよね。
松本
そうですね。やっぱり本当に……、もう1億欲しいですよね。
一同
(笑)。
小林
ぜひ欲しいですね(笑)。
松本
いまはクラウドファンディングとかもありますからね。あと1億あったら左右非対称のデザインとかもちゃんとできますよ。とにかくやれることは多々ありますから、なんとか売れてほしいところですね。
――
まずは発売に先がけて、7月10日にSteam版のアーリーアクセス(※3)を迎えますね。
※3 ユーザーが購入、ダウンロードできる開発中のゲーム。
松本
もうすぐですね。大丈夫ですか?
小林
こっちに振るの?(笑)
田村
すごいぶっこみがきましたね(笑)。問題がないわけではありませんが、がんばりますとしか言いようがないですね。
――
あくまで開発中のバージョンですから、ある程度割り切って遊んでもらって、そのうえでユーザーの意見をもらいたいですよね。
松本
ユーザーさんの意見は欲しいですね。単に声を聞くだけではなくて、実現するつもりもありますし、そのための枠も用意してあります。意見はどしどしください。すでにネットで書かれているようなことでも、「あ、これおもしろい!」と思ったことはメモをとって実現しようとしたりもしていますから。
――
では、開発は順調に進んでいると。
小林
……そうですね(笑)。
田村
がんばります(笑)。

エディットモードが進化!!

――
アーリーアクセス版ですが、デスマッチなどのルールもしっかりと入っていて、エディットの部分もちゃんと実装されていますよね。けっこう本当にがっつりと遊べる印象ですが。
松本
かなり遊べると思いますよ。
小林
『リターンズ』まで、エディット面でユーザーさんから不評を得ていた部分も、今回のバージョンでだいぶ変わっていますからね。
田村
先ほどグラフィックの解像度が変わったという話がありましたが、それに加えて、いまはパレットシステムというものが仕組みとして残っていないんですよね。
松本
Steam版だとそもそもゲーム機じゃないというのもありますからね。
田村
この部分は4色で描かれているから、4つのマス目にセットされた色を変えれば、配色やグラデーションが変化する、という仕組みがないんですよ。これが大きい。なので、今回はパーツにかかっているグラデーションの色を、カラーピッカーで色相や明度なども含めて決めるようになっているんです。
松本
ただこれだけだと、ひとつのパーツに複数の色を入れられないんですよね。
田村
そこで、パーツ自体を細かく分けたんです。タイツの稲妻模様なども、縁の線と内側の塗りつぶし部分とが別パーツになっているんですね。なので、炎の模様などと組み合わせて、謎のパターンを作ったりもできます。
松本
これまでだと、たとえば黒のグラデーションを1色だけ赤にしたり青にしたりで複雑なパターンを作っていたりしていましたけど、今回は細かいパーツのレイヤーを重ねて模様を作っていくことができるということですね。
――
エディットだけでも相当遊べてしまえそうですね。
田村
模様作りに使うことのできるレイヤーの数も、最大で9枚になっています。しかもパーツごとに9枚のレイヤーを使うことができます。
小林
エディットが大好きな人にはもう、とことん遊んでもらえればと。
松本
パンツだけでも9枚のレイヤーを使うことができますから、けっこう自由に、むちゃくちゃな感じになりますよ(笑)。
――
これはまたなかなか試合を始められないパターンになりそうですね(笑)。

松本氏が語る『ファイプロ ワールド』の注目点

――
7月10日のアーリーアクセス版でユーザーが初めて最新の『ファイプロ』に触れることになりますが、皆さんそれぞれ、どのような部分に注目してほしいですか?
松本
今回はやっぱり、売りのひとつでもあるオンライン要素でしょう。これまでは同じ部屋で友だちと遊んでいたのが、知らない人と遊べるようになるわけですから。異種格闘技戦じゃないですけど、他団体との戦いのような緊張感やわくわくがありますよね。今回初めて提供する、そういった遊びかたに対する反応が楽しみです。
――
オンライン対戦は未知の相手との競合ですからね。
松本
そうなんですよ。プロレスらしくやるのか、それともガチで、セメントでやるのかというところも読み合いになるじゃないですか。一応ルールとして、この部屋はセメント、この部屋はプロレス、っていう風には決めるんですが、けっきょく皆、最後は勝ちたくなるじゃないですか(笑)。
――
最後の最後になると急にカウンターがガチになって技が決まりにくくなったり、ですね(笑)。
松本
プロレスルールの部屋で、受けの美学というか、「負けたけどいい試合だった!」、「すごい戦いだった!」って遊んでくれる人がどれくらいいるかも楽しみですね。あと僕自身『ファイプロ』はめちゃくちゃ強いので、「俺より強いやつはいるのか?」っていう部分もあるんですよ。
――
腕に自信のあるユーザーも多いでしょうね。
松本
たぶん僕よりも強い人もいるでしょうから、いろんな人とセメントルールでやり合ってみたいですね。遠くにいる人とも戦うことができるっていうのは本作の醍醐味だと思います。

田村氏が語る『ファイプロ ワールド』の注目点

――
田村さんはいかがでしょう?
田村
やっぱりグラフィックにも注目してほしいですね。レスラーについては解像度の変化で苦労している点もありますが、逆に背景に関してはいままでの解像度の枠を気にせずに作れているんですよ。ほかのゲームと同じように基本的に3Dで作っていますので、これまでの『ファイプロ』とはちょっと違うぞ、というくらい綺麗になっています。あとは入場演出ですね。
――
入場もプロレスの醍醐味のひとつですね。
田村
『リターンズ』のときは、ムービーにレスラーを合わせる形の演出だったのですが、今回は試合で使う実際の会場に入ってくるようになっています。リングの横に道があるだけじゃなくて、入場口やステージがあって、そこからレスラーが出てきたり花火が上がったりと、スタッフが頑張って作っていますので、少なくとも1度は見てほしいですね。
――
入場シーンだけでもかなりの進化が見られそうですね。
田村
ユーザーの皆さんにも気に入っていただけたらうれしいです。本当はさらにさらに凝っていきたいのですが。
松本
ガウンの話はしないんですか?
田村
言っちゃっていいんですか?(笑)
松本
いいんですよ!
――
ぜひ聞かせてください。
田村
コスト的な面で今回は実装できていないのですが、ガウンパーツを作ろうかという話が出ています。試合中に動くレベルで全パターンを用意しようとすると、やっぱりガウンですから、動きが作れなくなってしまうんですね。ただ、入場だけで使うのであれば、胴体一体化のパーツを作ってしまえばいいわけですから、できるんじゃないかと。そういう構想はあるのですが、やらないといけないことがほかにもたくさんあるので。
――
ユーザーさんにたくさん遊んでもらって、末永く遊んでもらえれば追加で入れたりもできるかもしれませんからね。
松本
どんどんアイディアは湧いてきますからね、これをやらなきゃあれをやらなきゃ、って。
小林
3Dじゃないので甲冑なんかは、けっこう大変なんですよね……(笑)。
松本
でも、3Dじゃないからこその難しさみたいな部分も含めて『ファイプロ』だと思うんですよ。これは逃げで言っているのではないのですが、変にちゃんとできてしまうと、それはそれでちょっと違うな、と。2Dの全盛期に作られたゲームだからこそ、そこは捨ててはいけないこだわりだと思います。入場シーンも1回は見てほしい、じゃなくてスキップさせないような作りにしないといけないんですよ。……あれ、静かになっちゃったな。マズイこと言いました?(笑)
一同
(笑)。
小林
いやいや、がんばります。
松本
売れれば何とでもなりますからね。

小林氏が語る『ファイプロ ワールド』の注目点

――
では小林さんも、本作の見どころをお願いします。
小林
今回はSteamとPlayStation4で出ますよね。見た目はこれまでの『ファイプロ』と大きくは変わらないのですが、ハードが前作までとはそれなりに違うので、プログラムが全部変わっているんですよ。
――
そのお話を聞いたときはすごく驚きました。
小林
全部イチから作り直し、やり直しだったので、そこはプログラマーたちが苦労してがんばっている部分ですね。そのおかげでというか、これまでの『ファイプロ』になかった新しい要素もいくつか入っているんですよ。このあたりはオフレコでしたっけ?
松本
……あ、すいませんいまソーセージ食ってて……。何の話でしたっけ?
一同
(笑)。
小林
『ファイプロ』の新しい動きについてですね。
松本
ダッシュリングインとかロープに逃げる動きとか、チョップの打ち合いなんかの打撃応酬については公開されているので大丈夫ですよ。
小林
あとはいま作っている、開発現場で惨劇になっているやつとか。
松本
血痕演出ですね。それは前のプレゼンのときにちょっと話したぐらいですね。
小林
その血痕演出がある程度実装できたのですが、血が出すぎて大惨劇になったんですよ。
一同
(笑)。
――
グレート・ムタ戦の馳浩状態ですね(笑)。
小林
あとは先ほど田村も言いましたけど、会場も新しくなりましたから。リングの横や花道だけでなくステージでも場外乱闘を楽しんでいただけますね。
――
客席で戦ったりもできるのでしょうか?
小林
客席にはまだ入れないですね。
松本
それいま僕が一番やりたいことですよ! せっかく観客もレスラーパーツで作ったんですから、やっぱりぶん投げたいですよね。
小林
それはちょっと予算が……(笑)。
松本
いくらぐらいでしたっけ、観客投げにかかる費用は?
小林
1億円ぐらいかなぁ。
一同
(笑)。
――
プロレス会場でも観客が投げられるのはなかなか見ないですけどね(笑)。
松本
昔、福澤朗さんがやっていた“プロレスニュース”で、スタン・ハンセンが入場するときに近づいていった一般人がラリアットされて1回転した場面が放送されたんですよ(笑)。
一同
(笑)。
松本
それを見てから、「これを『ファイプロ』でもやってくれねぇかな」って。絶対にやってほしいと思っているんですよ。
小林
そこまでできるかはわかりませんが、場外でいろいろなことができるようにしていきたいですね。あと、じつは音楽も全部変えました。これが格好いいんですよ。
松本
今回のはいいですね。
小林
数は少ないんですけど、CDにしていつも聞いていたいぐらいのクオリティーですね。ファンの皆さんにもぜひ聴いていただきたい。
松本
サントラ作りましょう、サントラ。
小林
おなじみの『ファイプロ』のテーマも格好よくなっていて、試合中のBGMもいま風になっていますので、そのあたりも楽しみにしていただけたらと思います。

ユーザーの皆様へメッセージ

――
初のオンライン要素に進化したグラフィック、さらにイチから作り上げたプログラム、一新されたBGMと、見どころは十分ありますね。
松本
本当に、語り尽くせませんね。もっとお酒が入らないと(笑)。
田村
僕の立場的には迂闊なことを言って「じゃあよろしく」って言われると自分が困る立場なので(笑)。
――
(笑)。では最後に、新たな『ファイプロ』を楽しみに待っているファンに向けて、メッセージをお願いします。
田村
12年ぶりの『ファイプロ』、先ほどもお話ししたように、僕にとっては9作で止まっていた『ファイプロ』の記念すべき10作目でもあります。じつは皆さん以上に僕が「待っていました!」みたいなところもあって、作る側も本当に待っていた作品です。皆さんにこの気持ちを共有していただきながら楽しんでいただいて、少しでも多くの方に広めていただきたいですね。
小林
本当に12年ぶり、長かったですね。今回の『ファイプロ ワールド』の売り上げが少しでも上がれば、先ほど話題に上がっていたガウンパーツなどの夢のプランも現実味を帯びてくると思います。なので、ぜひ買って、遊んでいただいて、ご意見をスパイク・チュンソフトのほうにお送りいただければと。まだまだ『ファイプロ』は旅の途中ですから。
松本
いいですね、“旅の途中”。やっぱり今回は12年待っていてくれたファンと僕らがいっしょに作り上げていくつもりなので、ユーザーさんにもぜひ参加してほしいと思います。新しい『ファイプロ』、最高の『ファイプロ』を作るために協力してください。
――
ただ待っているだけではなく、ユーザーに参加してほしい、と。
松本
どんと来い、ですね。「やれんのか!」ですよ(笑)。
――
いい締めです(笑)。ありがとうございました。

取材:中野のぶるちゃん GIRS 婆 BAR
TEL:03-3388-7120(受付時間:pm7:00~0:00迄)
営業時間 : pm7:00~0:00迄

住所:東京都中野区中野5丁目46-4 慶NAKANOビル B101
営業日 : 火曜日~土曜日(祝日も営業)
URL : http://victory-inc.co.jp/bullchan/

松本Dの 酒だ! トークだ! ファイプロだ!!

『FIRE PRO WRESTLING WORLD』(『ファイプロW』)ディレクターの松本朋幸が、
『ファイプロ』好きなゲストと酒を飲みながら、『ファイプロ』談義をする当コーナー。
第2試合は、『ファイプロ』が好きなゲームクリエイターを代表して、スクウェア・エニックスの時田貴司氏と、カプコンの野中大三氏が参戦!
『ファイプロ』の思い出からプロレス愛まで、三者のこだわりをとことん語り尽くす!

【写真左】
松本朋幸(まつもと ともゆき)
総監督
『ファイプロ』を作りたくてゲーム業界に飛び込み、『ファイプロG』にてシナリオ、企画を担当。その後、ワンダースワン版や、他のプロレスゲーム開発に携わる。自身の看板タイトルである『喧嘩番長』では、『ファイプロ』愛をいかんなく発揮。

【写真中】
時田貴司(ときた たかし)
スクウェア・エニックス 第8ディビジョン シニア・マネージャー/プロデューサー
1985年にスクウェア(当時。現スクウェア・エニックス)に入社。『ファイナルファンタジー』シリーズや『ライブ・ア・ライブ』、『半熟英雄』シリーズなどさまざまな人気タイトルを手掛ける。
最新作は、
『半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!』
http://www.jp.square-enix.com/hanjuku_hero/
(iOS/Android)
『ファイナルファンタジーレジェンズII 時空ノ水晶』
http://www.jp.square-enix.com/FFL2/jp/
(iOS/Android)。

【写真右】
野中大三(のなか だいぞう)
カプコン 第四開発部 プロデューサー
2011年にカプコンに入社。『戦国BASARA 真田幸村伝』や『ガイストクラッシャー』シリーズなどをプロデュースする。プロデューサーを務めた『めがみめぐり』http://www.capcom.co.jp/megami/(ニンテンドー3DS)では、ゲーム業界初の交通系ICカードとゲームの連動を実現させた。
最新作は、
『ロックマンクラシックコレクション2』
http://www.capcom.co.jp/RCC/2/

『ファイプロ』人生とプロレス人生

――
『ファイヤープロレスリング ワールド』(以下、『ファイプロ ワールド』)記念企画“酒だ! トークだ! ファイプロだ!!”第2回ですが、今回は『ファイプロ』好きゲーム業界人ということで、スクウェア・エニックスの時田さんとカプコンの野中さんにお越しいただきました。さっそくですが、おふたりの『ファイプロ』人生について簡単に教えてください。
時田
いちばん遊んでいたのはPCエンジンからスーパーファミコンの時代だったと思いますね。プロレス自体は小学生のときにちょっと見ていましたけど、じつは中学生ぐらいからだんだん見なくなっていたんです。でも『ファイプロ』を遊びだしてからまたテレビで試合を見るようになって、それがちょうど超世代軍とか闘魂三銃士が台頭してきたころだったんですよ。
――
『ファイプロ』でプロレス熱が再燃したんですね。
時田
そうなんですよ。それで会社の人間と毎月いろんな団体を見に行くようになりました。UWFインターナショナル対新日本プロレスの抗争があったときはとくにすごくて、僕が代表してチケットを買いに行ったんですけど、20枚ぐらい買っていましたね。営業の人もすごい勢いで「ありがとうございます!」って(笑)。『聖剣伝説』のデバッグで連日の徹夜だったんですけど、徹夜明けに買いに行っていたという(笑)。その後もライガーやジュニアにはまっていって、最終的に全身コスチュームを落札するに至る(※1)と(笑)。
※1:時田氏はライガーのマスクと全身スーツを着て東京ドームでプロレス観戦をしたこともある。
――
なかなかに濃いですね(笑)。では野中さんもお願いします。
野中
まずゲーム人生としてなんですけど、ファミリーコンピュータから始まって、僕はスーパーファミコンじゃなくてPCエンジンにいっちゃったんですよね。当時このハードはいいぞ、と思って。
時田
それはやっぱりエロがあるから?
野中
いやいや(笑)。アーケードのシューティングが出るのが魅力的だったんですよね。『R-TYPE』とか『ドラゴンスピリット』とか。それで、PCエンジンのソフトって全部で666本あるらしいんですけど、僕はいま333本持っていて、リリースされたソフトのちょうど半分を持っているんですね(笑)。当時いろいろと買いあさったなかで『ファイプロ』に出会って、僕はむしろ『ファイプロ』からプロレスにはまったんですよね。
――
それまではプロレスは見ていなかったんですか?
野中
テレビで放送はされていたけど、そこまではまってはいませんでしたね。でも『ファイプロ』を遊んで、おもしろいゲームだと思っていたら、どうやらモデルになった人がいるらしいぞ、となって。だんだんと「ああ、この選手はこの人で、ということは、こいつはあの選手か?」みたいに、答え合わせ的に実際のプロレスにもはまっていったんですよ。
松本
そういう入りかただったんですね。

野中氏が秘蔵の『ファイプロ』を持参!

野中
じつは今回『ファイプロ』のお話ができるということで、PCエンジンの『ファイプロ』を持ってきたんですよ。やっぱり思い入れがあるのはPCエンジンの『ファイプロ』なんですよね。
(野中氏は今回のために初代『ファイプロ』の『ファイヤープロレスリング コンビネーションタッグ』、『ファイヤープロレスリング 2nd BOUT』(以下、『ファイプロ 2nd』)、『ファイヤープロレスリング3 Legend Bout』、『ファイプロ女子 憧夢超女大戦 全女vsJWP』といったPCエンジンの『ファイプロ』作品を持参。さらにはグレート・ムタが表紙を飾る『ファイプロ』小冊子や攻略本なども持ってきており、対談メンバーも大いに盛り上がった)
時田
うわぁ、めちゃくちゃ懐かしいですね。
野中
当時は本当に相当遊びましたからね。『ファイプロ 3』でエディットが入って、やっぱりそこにはまったんですけど、ちなみに時田さんはリアル派とファンタジー派、どちらでした?
時田
僕はわりとリアル派でしたね。収録されていないレスラーを作ったり、〇〇年型ライガーとか、対誠心会館用のライガーを作ったりとか(笑)。
野中
さすがですね(笑)。僕もけっこう近くて、やっぱりリアル派なんですよ。しかも現実の再現だけでは飽き足らず、“もしもシリーズ”を始めたんですね。“もしも鶴田がバーリトゥードに参戦したら”、“もしもヒロ斎藤が180センチあったら”、“もしも蝶野の首が強ければ”みたいな(笑)。
松本
すごいですね(笑)。所属団体が違う選手のドリームマッチを『ファイプロ』で、というのはよくありますけど、もしもの方向がそもそも違うんですね。
野中
ドリームマッチをひたすらやって、一周した結果ここにたどり着きました。もうバーリトゥード鶴田は最高でしたよ。ハンマーパンチで倒して、腹ばいにして後ろに回って、引っこ抜いてのバックドロップでKOするという。
時田
理想の鶴田になるわけですね。
野中
そう、夢の鶴田がいるんですよ。
時田
当時は会社のみんなで対戦したりしていましたけど、若手でひとり色物路線のやつもいたんですよ。全身紫色にして、エヴァンゲリオン初号機を作ってきたりして、キレると絶叫からのチョークしかしてこないっていう(笑)。
野中
いいなあ(笑)。色物と言えば、萌え系の頭パーツとかもありましたよね。あと熊とか河童とか。
時田
しかも熊はリアル調のと、ぬいぐるみっぽいのとがあるんですよね。
松本
熊と河童は『ファイプロ ワールド』にもありますよ(笑)。

スクエニ伝説(?)の“タイガールール”

――
時田さんも野中さんの“もしもシリーズ”みたいに、変わった遊びかたはされていましたか?
時田
僕個人というより、当時の会社で流行っていたことなんですけど、休憩時間に『ファイプロ』を遊んでいると、やっぱりビクトリー武蔵が人気なんですよ。それで“ビクトリー武蔵決定戦”って言って、全員武蔵で戦って、優勝したやつ以外はその後武蔵を使ってはいけないという。
松本
封印なんですね(笑)。
時田
その後さらに“タイガールール”というのもできまして。
野中
全員タイガーマスクということですか?
時田
いや、タイガー・ジェット・シンに負けたらタイガー・ジェット・シンしか使っちゃいけない、っていう。
一同
(笑)。
野中
そっちのタイガーなんですか(笑)。
時田
それでタイガー・ジェット・シンを使っているあいだに、むしろ好きになっちゃう奴もいましたね(笑)。
松本
ジャーマンスープレックスを持っていたりして、何気に技はシブいんですよね。
時田
隠し技でタイガースープレックスなんかもありましたからね。
野中
あー隠し技! 懐かしいですね。あったあった。
時田
あと『ファイプロ』のエピソードと言えば、このあいだ家にあった昔の『ファイプロ』を小学2年生の息子に遊ばせてみたんですけど、場外乱闘がえらく気に入ったらしいんですよね。スマートフォンのゲームなんかだと時間制限のあるものも多いじゃないですか、でもいくらでも遊べるし、『ファイプロ』自体が自由じゃないですか。
野中
試合そっちのけで“20カウントのあいだにどこまで行けるか”みたいな遊びかたもしていましたもんね。「ここも歩けるんだ!」みたいな謎の発見があったり(笑)。
時田
もう大笑いしながら遊んでいるんですよ。「最高のゲームだ!」っていう感じで。プロレスって、いろいろなきっかけで見始めるじゃないですか、だから息子も早く会場に連れていきたいですね。
松本
やっぱり生の観戦はいいですからね、雰囲気が最高ですよね。

ゲームだからこそできるプロレス

――
『ファイプロ』のシステムなどで印象に残っているものはありますか?
時田
『スーパーファイヤープロレスリングX』ぐらいのころにクリティカルが実装されましたよね。当時会社で4人のバトルロイヤルをやって、僕はやっぱりライガーしか使わないんですけど、そのときの相手がヴォルク・ハンと藤原と高田で、代わる代わる腕ひしぎを決めてくるんですよ(笑)。もう僕は十字キーをひたすらこするんですけど、けっきょくボキっといっちゃうっていう。
野中
“クリティカル!”って出るんですよね。「うわ、やられた!」みたいな。でもクリティカルが出た後も戦えたりしましたよね。
松本
レフェリーにバレなければ大丈夫ですね(笑)。
時田
でも両腕がもう、ぶらーんってなっていて、見るからにもう戦えないんですよね(笑)。
野中
あとは息継ぎシステムとかありましたよね。
松本
自分のスタイルに合わない技を使いすぎると息が上がっちゃうっていうシステムですね。あれも人によって賛否が分かれていますけど、『ファイプロ ワールド』でも引き続き搭載しています。
野中
相手を場外に投げすぐに飛び技を出すんじゃなくて、一瞬の隙で呼吸を整えてからのラ・ケブラーダとかをよくやっていましたね。対人戦だと本当に、つねに息を整えているっていう。
時田
ずっとこう、あのポーズで立っているんですよね(笑)。システムというか、ストーリーもすごかったですよね。とくに『ファイヤープロレスリングSPECIAL』のストーリーは須田(剛一)さんのイズムが溢れすぎていて(笑)。最初はプロレスから始まって、U系とかにもいくんだけど、ラスボスはアメリカンプロレスの象徴たるリック・フレアーという。
野中
シュートスタイルじゃなくて王道プロレスがラスボスっていうのがすごくいいですよね。
松本
『ファイプロ』の話になるとほぼ必ずストーリーモードが話題になりますからね。あれはいいモードでした。
時田
やっぱりオールスター感がすごかったですよね。本当に、ゲームでしかできない可能性を感じたというか。
野中
当時は交流戦とかもありませんでしたからね。どの『ファイプロ』だったかちょっと記憶があいまいなんですけど、デモ試合もすごい凝っているときがあったんですよ。ふつうにビクトリー武蔵対ハリケーン力丸、とかじゃなくて、ニクソン・ステイシー対真田伸久とか、当時の旬だったカードが組まれていて。そこまでやるか、って思いましたね。

『ファイプロ』とは、RPGである

――
プロレスゲームの中でも『ファイプロ』がとくに好きな理由はなんでしょう?
時田
『ファイプロ』はですね、ロールプレイングに近いんですよ。「俺はこれがやりたい!」っていうのをそのまま体現できるんです。
松本
名言きましたね。「ファイプロはRPG」。いますぐツイートしたいぐらいですよ(笑)。
時田
昔は『ファイプロ』はシミュレーションゲームだって言っていたんですよ。状況をシミュレーションするということで。でもやっぱりレスラーとしての役割を演じるわけじゃないですか。
野中
勝てばいい、っていう常識を変えましたよね。いかに美しく勝つか、という視点が生まれた。スター・バイソンを使っても、いきなりウエスタンラリアットを出しちゃいけない。ちゃんと“ウィー!”をはさんでから出さないと、ってなるんですよね。
時田
だから観客のリアクションとかが入ったときもすごくおもしろくなりましたよね。会社でも勝つためだけに動く奴がいて、「お前はプロレスがわかってない」って説教したりしていましたよ(笑)。
野中
そうそう、ドロップキックを連発するファイター大和とかね。「そこはいちばん大事なところだろう!」ってキレ気味になっていました(笑)。
松本
いまの『ファイプロ ワールド』だとオンライン対戦ができるんですけど、まったく同じ論争がネットでもくり広げられていますね。勝ちに行く派と再現にこだわる派とで。
時田
こだわりすぎると負けちゃうんですよね。僕はだいたいそのパターンです(笑)。ガチゲーマーというか、負けたくない奴らはバイソンでずっと直角に走りながらウエスタンラリアットばっかり出すんですよね。
野中
やたらボディスラムを多用したりですよね。
時田
そういうゲームじゃないだろう、と。
野中
本当に、勝てばいいじゃなくて、なりきりを楽しむっていうのがたまらないですよね。

『ファイプロ』にリアルスポンサーシステム?

――
アーリーアクセス公開中の『ファイプロ ワールド』ですが、アップデートで本当に大きく進化していますよね。
松本
そうですね、リングエディット機能で自由にマットのデザインを変えられたり、入場も自分で好きなように動かせるようになったり、部位ごとにサイズを調整できるようにしたり、入場曲もMP3で自由に再生できたり、かなり進化していますよ。でもやっぱりいままでとのいちばんの違いはワークショップでエディットレスラーとかを共有できることですよね。
野中
職人さんが作ったレスラーを共有できるってすごいですよね。
時田
ユーザー間で完成しちゃいますもんね。
――
リングエディットで作成したデザインも共有できて、松本監督のアイコンを中央に据えたデザインなんかもアップロードされていましたね。
松本
ちょっと恥ずかしいですけど、すごくうれしいですよね(笑)。リングエディットも職人さんはすごくて、スポンサーのロゴなんかも再現しているんですよ。本当に白いマットからいろいろな時代のマットが再現されていたりして。
野中
すごいですね。いっそリアルスポンサーを募集してロゴを入れていったらいいんじゃないですか?
松本
それアリですね。
時田
スクエニから出しますよ。ダメだったらポケットマネーでも(笑)。
一同
(笑)。
――
時田さんは初代えべっさん(現在は菊タロー)のコスチュームにもスポンサーとしてロゴを出されていましたよね。
時田
『半熟英雄4』のときですね。でも本当に、『タイガー&バニー』みたいなスポンサーシステム(※2)があっても面白いですね。
※2:アニメ『タイガー&バニー』ではヒーローたちが企業とスポンサー契約を結んでいるという設定があり、コスチュームに実在企業のロゴが入っていた。
松本
確かにできるかもしれないですね(笑)。

アーリーアクセスのよさは“ライブ感”

――
スパイク・チュンソフトとしては『ファイプロ ワールド』が初のアーリーアクセスタイトルになりますが、実際にやってみた感想はいかがですか?
松本
やっぱりおもしろいですね。ユーザーの声を聞いてそれに応えるというゲーム作りは、本当に最高だと思いますよ。
野中
出した後に更新をしないよりもいいですよね。ユーザーさんも「これは直るんだよね」っていうのがわかったうえで意見を出してくれたりしますし。
時田
いまだとジャンルに関係なく、昔の名作から基本無料だけどすごいお金をかけて作ったものまで、いろいろあるじゃないですか。そのなかでみんなが自分の好きなものを選んでいくんだから、だったら最初から好きな人といっしょに作っているっていうのはいいですよね。ライブ感もあるし。
松本
ライブ感、まさにそれですね。“カミゴェ”なんかはまさにそうだと思うんですけど、1回実装予定の技リストが解析でバラされちゃったんですよ。「じゃあつぎはここから出てくるんでしょ」みたいな空気になっていたんですけど、じゃあ逆にリストにはないものを出してやろう、ということで。そういうリアルな裏のかき合いみたいなことができるのもおもしろいですね。
野中
技にはブームもありますしね。一時期猫も杓子もカッター系、とかありましたからね(笑)。
時田
シャイニング系がやたら流行ったときもありましたね。派生形がすごい大量に出る、みたいな。
――
アーリーアクセス初期はレスラー選択画面が重かったのも、いまではだいぶ改善されましたよね。あちらもユーザーの声を反映した結果でしょうか。
松本
もちろん開発側でもそのうち直さないとね、と話はしていたんですけど、UIの部分って後回しになりがちなんですよね。でもユーザーの声が大きいものから対応していこう、というのはやっぱりありました。
時田
作っている側は「後で直るから」という前提に思ってしまいますけど、その前提がなかったり頻繁に触ったりするとかなり気になる部分ですよね。
松本
あとはPCゲームなので、スペックの違いによっても変わってしまうんですよね。デバッグ用PCは高性能なのでサクサクなんですけど、5年前のノートPCだとすごく遅い、とか。そういう事情もあって早めに対応しよう、という流れになりました。
野中
PCはどれくらいのスペックまでは対応しようとしているんですか?
松本
7、8年前のノートPCでも動くようにしたい、とは言っていますね。
野中
かなりフォローするんですね。
松本
『ファイプロ』を遊んでくれる人って、30代の方もいらっしゃいますけど、やっぱり40代50代の方が多いんですよね。なので、最新スペックじゃないと動かないという風にはならないようにしたいです。
――
ちなみに、アーリーアクセスはいつごろまでというスケジュールは出ているのでしょうか?
松本
まだ明確な時期は言えませんけど、やっぱり会社的な話としていついつまで、というのはありますね。本当に永遠にアーリーアクセスをやりたいんですけど(笑)。
一同
(笑)。
松本
この前もロジックの優先動作を増やしたら案の定いろいろバグが出てしまったんですけど、時間が限られていることもあるので「何かあったらまずいから」みたいなことは言っていられないんですよ。
時田
そこを包み隠さずにユーザーとやり取りするのがいいですよね。いまの時代は隠しごとをなくして、ちゃんと声に応えていくのが大事だと思うんですよ。
――
優先動作で確かにバグはありましたけど、それこそ本日出たような“ウィー!”からのラリアットがロジックで出せるようになって、ユーザーからの反応もいいですよね。
松本
バグが出るとすごい勢いでいろいろ言われるんですけど、「今週アップデートを出します」っていう告知を出すと“いいね”がいっぱいつくんですよね(笑)。
野中
すごいツンデレですね(笑)。

詳細は言えない、でも間違いなくすごい今後の予定

――
ところで、今回の記事で何か新情報が出ないかと期待しているユーザーも多いと思いますが、何かあったりしませんか?
松本
いまこの場で載せられる情報はないんですよ、すいません。ただ、これはオフレコなんですけど●●との××ですとか、■■や▲▲の実装は予定しているというか、やります。
野中
えー! それはすごいじゃないですか。全部載せられなさそうですけど(笑)。
時田
すごいですね、伏せ字しかないんじゃないですか?(笑)
松本
ユーザーのみなさんにはまだ内容までは明かせないのですが、間違いなく喜んでいただける施策を、最初のころから言っている大きな“隠し玉”を用意していますので、そこはぜひ期待して待っていてほしいですね。
――
“隠し玉”の内容は初めて聞きましたが、正直驚きました。
松本
そもそも『ファイプロ』を新しく出すという今回の企画自体、無理やり立ち上げたところがあるんですよ。会社としても利益が見込めないものを作らせるわけにはいかないので。そうなると、今回が最後になったとしてもおかしくはない。だからこそ、『ファイプロ』の究極形を見せたいですね。
野中
泣けますね……。
時田
でもまだ発表はできないっていう。
一同
(笑)。
松本
あとこれはあまり『ファイプロ』が、という話ではないのですが、高山善廣選手を支援するTAKAYAMANIAの関係者と先日お会いして、うちの社長である櫻井の意向もあって何らかの支援を検討しています。2017年はいろいろな選手が大きな怪我をされましたけど、高山さんは群を抜いてきつい状況じゃないですか。
時田
プロレス業界にもものすごく貢献されてきましたしね。ほとんど何でもやってきましたよね。
松本
本当に氷河期を支えてきた方なので、少しでも支援をしたいと思っています。
野中
僕個人としてはやっぱり信じていますよ、帰ってくるって。
時田
僕もそう思いますね。
松本
プロレスラーは怪我の治りがすごいという逸話も昔からありますし、帝王ですからね。僕も信じています。
――
それでは松本監督、そろそろ時間となりましたので、締めとなるお言葉をお願いします。
松本
やっぱり『ファイプロ』は30年近い歴史があるビッグタイトルなので、ユーザーさんの期待値もそれだけ高いんですよね。最初にサンフランシスコのGDCで『ファイプロ ワールド』を発表したときにも話したんですけど、増田(雅人)さんが作ったファイプロを汚さないような作品を作ります。本当にこの発言があまり注目されていないので、もうちょっとクローズアップしてほしいんですけど(笑)。
一同
(笑)。
松本
増田さんや須田さんなど、いろいろなクリエイターが関わって続いてきた『ファイプロ』というタイトル。僕には本当に荷が重いんですけど、その歴史を伝承できるように、神格化された『ファイプロ』を崩さずに、「これは進化した『ファイプロ』だ」とユーザーさんに思っていただけるようなものにしていきたいと思っています。先ほどオフレコでお話しした今後の展開でもそうなんですけど、『ファイプロ』らしくありつつ進化していく、というのを大事にしていきたいです。
――
期待しています! 本日は皆さんありがとうございました!
一同
ありがとうございました!

取材先:麺ジャラスK(メンジャラスケー)
TEL:03-3415-5333
定休日:火曜日(店主の都合で変更あり)

住所:東京都世田谷区喜多見6-18-7 ビスタ成城 1F
営業時間:12時~14時30分(食材がなくなり次第終了)/18時~23時(店主の都合で変更あり)
麺ジャラスK店長 twitter:https://twitter.com/orenooudou

松本Dの 酒だ! トークだ! ファイプロだ!!

『FIRE PRO WRESTLING WORLD』(『ファイプロW』)ディレクターの松本朋幸が、
『ファイプロ』好きなゲストと酒を飲みながら、『ファイプロ』談義をする当コーナー。
第3試合は、新日本プロレス株式会社から阿部猛氏が参戦!
新日本プロレスコラボの立役者と、コラボ実現についてとことん語り尽くす!

【写真左】
松本朋幸(まつもと ともゆき)
総監督
『ファイプロ』を作りたくてゲーム業界に飛び込み、『ファイプロG』にてシナリオ、企画を担当。その後、ワンダースワン版や、他のプロレスゲーム開発に携わる。自身の看板タイトルである『喧嘩番長』では、『ファイプロ』愛をいかんなく発揮。

【写真中】
阿部猛(あべ たけし)
新日本プロレス
新日本プロレス株式会社 事業推進本部 ビジネス開発部 次長。今回の『ファイプロ ワールド』と新日本プロレスのコラボを実現させたキーマン。じつは『ファイプロ』と非常に縁の深い経歴の持ち主であることが判明(詳細は文中にて)。

4年前にも新日本プロレスのゲームを作ろうとしていた

――
『ファイヤープロレスリング ワールド』(以下、『ファイプロ ワールド』)記念企画“酒だ! トークだ! ファイプロだ!!”第3回は、新日本プロレスコラボの立役者でもある阿部さんにお越しいただきました。さっそくですが、阿部さんと松本さんが最初に出会ったのはいつごろなのでしょうか?
阿部
松本さんと最初にお会いしたのは、3、4年前に僕が「新日本プロレスのゲームを作ってくれませんか」とお願いしに行ったときですね。当時はまだうちの会社も上り調子ではなくて、企業として浮上するきっかけを探しているなかで、僕としてはゲームやフィギュアなどを出して、プロレス自体が元気だということをアピールしたかったんですよ。じつは昔、僕はヒューマンに所属していたので、そのときに先輩後輩の関係だった『ダンガンロンパ』シリーズの寺澤さんに「『ファイプロ』を出したいんですけど、どこかにツテはありませんか?」と相談したところ、松本さんを紹介していただいたんです。
――
松本さんは当時、新日本プロレスの方が来ると聞いてどんな心境でしたか?
松本
びっくりもしましたけど、「これでやっと『ファイプロ』を作れるかも」と思いました。他団体さんからのお話やモバイル版など、それまでにもいくつかお話はありながらもなかなか実現できずにいたのですが、「新日さんがやるって言ったらやれるでしょう!」みたいな感じでしたね(笑)。ただ、そのときは残念ながら形にすることはできなかったんです。
――
ちなみに当時作ろうとしていたのは、完全に新日本プロレスさん限定のゲームだったのですか?
阿部
そうですね。『ファイプロ』のリソースを使って、うちの名前でゲームを作ってもらえませんか、とお願いしていました。いきなりの話で、プロレスゲーム復活の兆しがまだなかったなか、スパイク・チュンソフトさんにはリスキーな話だったと思うんですよ。でも、言ってしまえば採算度外視レベルな条件まで出していただいて、ここで1本作ることでつぎにつながるんじゃないか、みたいなパッションがすごかったんですよ。ただ、当時は僕が勇み足だった部分もあって、新日本プロレスとしてはまだ早い、という判断が下って、そのままお別れをすることになってしまったんです。

本人たちも知らなかった、意外なつながり

――
先ほど阿部さんは寺澤さんとヒューマンでお知り合いになられたとおっしゃっていましたが、ヒューマンに在籍されていたんですね。
阿部
そうですね。ヒューマンが倒産してしまうまで、3年くらい営業をやっていました。当時は『ファイプロ』初代プロデューサーの田島さんや、『鉄騎』の河野さんなど、そうそうたるメンバーの方々がいらっしゃいましたね。
松本
あれ、ヒューマン倒産のころまでいらっしゃったんですか? だとすると、僕と在籍期間が被っていますね。僕は当時ワンダースワン版の『ファイプロ』を作っていて、その途中でヒューマンが倒産してしまったので。
阿部
え、松本さんもヒューマンに在職されていたんですか?
松本
はい、契約社員でしたよ。S-NEOさんと組むということで在籍していました。
阿部
またマニアックな言葉が出ましたね(笑)。
松本
S-NEOっていうのは、『ファイプロ』界ではけっこう通じる通称で、ヒューマンと契約していた『ファイプロ』専用の開発チームのことなんですよ。
――
松本さんが当時ヒューマンと契約されたのは『ファイプロ』が作りたいからだったんですよね?
松本
もちろんそうですよ。
阿部
僕も『ファイプロ』が好きでヒューマンに入って、それこそ『ファイヤープロレスリングG』でポケットステーションをよく使っていたんですよ。入社後も「『ファイプロ』を出してくれ!」って社内でずっと言っていました(笑)。
――
すごいですね。当時『ファイプロ』愛を持ってヒューマンに在籍しながらも、お互いのことを知らなかったふたりが、いま『ファイプロ』でコラボを実現した、と。
阿部
いい話になってきましたね(笑)。

2017年のG1で4年ぶりの再会

――
過去に画策したコラボは残念ながら頓挫してしまいましたが、今回再びコラボの話が上がり、実際に実現することができました。今回のコラボが始まったきっかけは何だったのでしょうか?
阿部
新日本プロレスで『プロレスやろうぜ!』というスマートフォン向けのアプリを配信しているんですけど、じつはその開発会社さんが『ファイプロ』も作っていたんですよ。その会社のスタッフさんたちには研究の意味も含めて毎回会場に来ていただいていたので、じゃあ松本さんを含めた『ファイプロ』チームの皆さんにも来てもらおうと、お誘いしたのが去年(2017年)のG1クライマックスでした。
松本
『ファイプロ ワールド』的にはちょうどSteamでアーリーアクセス版(※1)をリリースした直後くらいですね。
※1:ユーザーが購入、ダウンロードできる開発中のゲーム。
阿部
ティザームービーなどで『ファイプロ』復活の話は聞いていたので、うれしい反面、復活するなら絡みたかった、という悔しさもあったんですよ。ただ、前回があまりよい別れかたをしていなかったので、僕としても気を使っていた部分がありました。それでも何かいっしょに仕事ができないかな、と思って、まずは新日本プロレスが元気になったところを見てもらおうということで、会場に来ていただいたんです。
松本
そこで僕が「最高に楽しかったです! 飯でも食いに行きましょう!」というお礼のメールを送って、実際に食事に行きましょう、となったんですよ。もうそのときから僕はドキドキしていましたね。
――
もしかしたら何か実現できるんじゃないか、と期待も高まりますよね。
松本
というか、その時点でもうコラボしたいと思っていたんですよ。もともと4年前のお話があって、形にすることができなかった。その後、阿部さんにお話しすることなく『ファイプロ ワールド』をリリースしたので、ちょっと言い出しづらかったんですよね。でもそんななかでG1に招待していただいたので、これはプロレス業界を盛り上げるために手を組むしかないだろうと思ったんですよ。でも、『ファイプロ』はグレーでやってきていたので、怒られるんじゃないかと不安でもありました。
阿部
僕は逆に、今の仕様がわからなかったんですよね。また以前のような感じで出すのかな、とも思っていたので、「偽名使うならうちだけ実名にしてくださいよ」みたいなことは最初から言おうと思っていました。名良橋もいていいし、棚橋もいていい、VIEW JAPANとNEW JAPANが両方あっていいよ、と思っていたんですよ。

歴史が動いた“ふたりだけの焼き肉会食”

――
そのお話をされたのが、お食事の場だったんですね。
松本
赤坂の焼き肉屋で、サシですよ(笑)。
阿部
本当にサシでしたね。どなたか会社の方がいらっしゃるかとも思ったんですけど、行ってみたら松本さんだけでしたので、ちょっとドキドキしちゃいましたね(笑)。
松本
ふたりともドキドキしたまま、『ファイプロ』にはあまり触れないで2時間くらいモジモジしているんですよ。「言おうかな、でも阿部さんはどう思っているのかな、やっぱり怒られるのかな」なんて思いながら。。
――
少女マンガなどにある、読者が「早く言っちゃえよ!」となるパターンですね(笑)。
松本
でも、無理と言われたらそこまでだし、やっぱり『ファイプロ』のことを考えたらここは話をしなきゃ、と思って話題を寄せていくんですね。ちょっとずつ(笑)。
阿部
本当に牛歩でしたね。3歩踏みとどまってやっと1歩踏み出す、みたいな(笑)。
松本
お互いが「付き合ってください」と告白しようとしているぐらいの心境で、なかなか言い出せませんでしたよ。
阿部
なかなか気持ち悪い話ですけどね(笑)。でも、モジモジしながら肉を焼いて話をしているなかで、そろそろ言ってもいいかな、という空気になってきて、「うちで何かやれることがあったら言ってくださいね」と軽く投げたら、「いやいやコラボしましょうよ!」と乗っかってこられたんですよ。
――
ちょと手が触れたから勢いで握っちゃえ、みたいな(笑)。
松本
「行っちまえ!」っていう感じでしたね(笑)。
阿部
強引でしたね、乙女に対して(笑)。
松本
でもあの場がなかったら、いまのこの状況はなかったんですよ。

焼き肉会食の日付はまさにデスティーノ

松本
ちなみにこれ、僕から言うとちょっと嘘っぽく聞こえるんですけど、コラボのきっかけになった焼き肉屋に行った日付がすごいんですよ。
――
G1に招待された後、ということですから8月ごろでしょうか?
松本
これがですね、8月9日、ハッテンキュウなんですよ。
――
PS4版『ファイプロ ワールド』発売のちょうど1年前だったんですか!
阿部
これは本当に運命的、デスティーノですよね(笑)。
――
念のために伺いますが、作っていませんよね?(笑)
松本
エンセリオ、マジで! これが本当なんですよ。
――
過去に意外な接点があったことといい、本当に運命的ですね。しかし、8月にお話が持ち上がってから発表が翌年のイッテンサンだったわけですが、そう考えると契約を交わしてからゲームに取り込むまでの期間がかなり短いですね。
松本
まずこちらからから企画書を提出して、新日さんから「リングにロゴを出せますよ」といったご提案をいただいて、その落としどころや予算の話をまとめるのは急ぎました。契約が締結しないと実作業が動けなかったので。
――
急いで契約を結んだとしても作業時間が短くてたいへんだったのでは?
松本
ただ、開発の人間はフライング……もとい、研究という大義名分のもとに下準備を進めていたので、意外とそこまで問題はなかったんですよ。コラボが本決まりになる前にスタッフから「新日さんとのコラボとなると、これとこれが必要ですよね」ってリストが上がってきて、「まだ決まっていませんからね?」みたいな(笑)。

プロモーション協力だけでは終わらない

――
ついにお互い告白し、恋が実ってコラボをしようというお話になったわけですが、その場である程度の内容なども話し合われたのでしょうか?
阿部
このときは僕のスタンドプレーだったんですけど、僕はPS4版が出るときのプロモーションで、『ファイプロ ワールド』のティザームービーでやっていた、実写で組みあって腰を落とす動画を新日の選手でやってくださいよ、みたいなことを言った記憶がありますね。
松本
そうでしたね。
――
阿部さんとしてはプロモーションに選手を絡めるくらいの感じだったんですね。
阿部
そうですね。『ファイプロ』はプロレスゲームのトップですし、僕らもプロレスのトップなので、トップどうしが組んだらおもしろいハレーションになるんじゃないかと思っていたので、絡んでいただくならウチでしょう、という思いは気持ち悪いほどありましたね。暑苦しいくらいでしたよ。
――
しかし相手はもっと暑苦しかったということですね(笑)。プロモーションに出ていただくというレベルではなく。
松本
そんな程度になるわけがありませんよ(笑)。いや、ストーリーモードいくでしょ、全選手出すでしょ、くらいに思っていましたからね。コラボするからには全力でやりたいですから。
――
松本さんとしては、そのときすでにゲーム内でのコラボまで構想としてできあがっていたんですか?
松本
完全にできていましたね。それこそ本当に、すでにパッケージまで考えていましたよ。それで1週間後には、こういうのをやります、こういうことをやらせてください、と企画書をお送りしました。
阿部
初動が早かったので、こちらの社内でもとんとん拍子で上に話しが上がっていきましたね。当時の社長も寛大で、「こういうものもないとブームの一端は作れないよね」という感じだったんですよ。親会社もゲームに寛大なところがあって、宣伝にもなるんだからやるべきだ、と背中を押してくれる人が多かったおかげで話は早かったですね。
――
先ほどスタンドプレーというお話がありましたけど、おふたりでお会いしたときは内容も決まっておらず、上司にも話を通さずに、ということだったんですよね?
阿部
そうですね。上司に「いやもう、今日ほぼ決めてきちゃいます。いいですよね」ぐらいの勢いで言っていました。親父に「俺、今日プロポーズしてくるから」と言うような、そんな感じですよ(笑)。会うからには結果を出さないとよくないな、と。しこりを残したまま帰りたくないという思いはありましたね。

4年越しに実現した新日本プロレスと『ファイプロ』の融合

――
プロモーションに協力するぐらいのつもりが、松本さんからかなりがっつりとした内容のコラボの企画書が送られてきたときは、どう思われましたか?
阿部
もう、うちのゲームなのか、と思いましたね(笑)。僕らはあくまでゲストで出るという認識なんですけど、企画書を見ると、“新日本プロレス フィーチャリング『ファイプロ』”みたいなことになっていましたから。
松本
そこは、4年前を振り返ってほしいんですよ。4年前にやりたかったことを、ここで実現したかったんです。
阿部
……ちょっと涙腺が緩むいい話ですね。
松本
企画書の内容は本当に、4年前に阿部さんと話したような内容だったんですよ。それを4年越しで実現したという感じなんですよ。だから、本当に「新日本プロレスのゲームじゃん!」って言われるくらいのことをやろうと思っていました。

スパイク・チュンソフトの会議室が歓喜に沸く!

――
新日本プロレスさんとのコラボの話を持ち帰って、社内の反応はいかがでしたか?
松本
もうみんな、「ウオー!」、「キター!」って両腕を振り上げる感じでしたよ(笑)。すごい盛り上がりでした。会議の場で発表したら、言った直後「え、マジでできるの?」、「怒られなかったの?」みたいな感じで一瞬空気が止まったんですけど、あんなに盛り上がることはそうそうないですね。
阿部
ウチとしてもうれしい話ですね、それは。
松本
僕も「やってやりましたよ」みたいなドヤ顔でしたからね(笑)。
――
阿部さんは上司に「今日言ってきますよ」という勢いでお話の場に向かったそうですが、松本さんのほうは上司に対してはどのように伝えていたのですか?
松本
もちろん僕も、「新日さんが受け入れてくれるようであれば、話してくるかも。っていうか話しますね」みたいな感じでした。本当に阿部さんと同じ感じで、うまくいったらいろいろ考えましょうよ、という勢いでした。阿部さんなら絶対になんとかしてくれると思っていましたから。
――
4年前のお話はうまくいきませんでしたが、今回はいける、という直感というか、判断材料のようなものはありましたか?
松本
今回はベース部分ができているので、阿部さんからするとだいぶやりやすかったと思います。
阿部
そうですね。僕としても、どれだけ時間がかかろうが、4年前のあのリベンジはしたかったんです。プロレスゲームをコンソールで出すのは夢だったんですよ。『ファイプロ ワールド』がPS4で出ると聞いて、これはこのタイミングしかないと思ったんですよ。なかなか新規にゲームを立ち上げるのは難しいじゃないですか。
――
『ファイプロ』もシリーズ作品とはいえ、当時で12年ぶりの新作でしたからね。
阿部
もうリソースはしっかりとあるわけですよね。気運も高まっていましたし、これはやってもらえるんじゃないかな、と感じたんですよ。タイミングがよかったですね。
松本
本当にいろんなものが重なって、めちゃくちゃタイミングがよかったですね。なかなか狙ってできるものではないと思います。
――
コラボが決定してから、新日本プロレスさんサイドではどのような動きがあったのでしょうか?
阿部
僕らは契約などを詰めつつ、コラボするからには120%盛り上げていこう、という意識が部内、社内でもあって、イッテンヨン東京ドームでCMを流しますとか、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアの冠スポンサーになったこともサプライズで発表します、とかのプロモーションをすべて提案させていただきました。どの提案も喜んでいただけたので、この方向性は絶対に間違っていないな、という確信を持って進めていくことができましたね。
――
選手が数名出るだけならコラボとしての常識の範囲内ですが、声も吹き込まれていて試合の写真も出てくるというのは、もうコラボの枠を超えていますよね。
阿部
本当に、うちのゲームになっていますよね(笑)。
松本
そう思ってもらえたら、もう最高ですね。

新しい『ファイプロ』ベルトはIWPGヘビー級王座をリスペクト!?

阿部
ただ最近、社内で『ファイプロ』の話を僕が出すと、「お前、私利私欲で仕事してないか?」と思われるんじゃないかと不安なんですよ(笑)。
松本
そこはもう、とことんいきましょう(笑)。
阿部
とか言いながら、机の横にあるホワイトボードに、『ファイプロ ワールド』のポスターをバーンと貼っているんですが(笑)。でも実際のところ、うちの社員もすごく喜んでいるんですよ。やっぱり20代、30代の社員たちは『ファイプロ』を遊んでいた世代なので、「社内でトーナメントやりましょうよ!」みたいな話も出ていたりします。
――
新日本プロレスさんのなかで『ファイプロ』トーナメントを開催というのはアツいですね! 選手間の『ファイプロ』対決も引き続き開催してほしいです。
松本
そうですよね。いま、新しい『ファイプロ』ベルトを作ろうという話になっているんですけど、IWGPヘビー級王座のベルトをパク……リスペクトしたものを作りたくてたまらないんですよ(笑)。歴代の王者が刻まれたサイドバックルのデザインとかも最高じゃないですか。そのベルトをかけて僕と阿部さんとで戦ったりしてみたいですよね(笑)。
阿部
いいですね!(笑)

超タイトなスケジュールだった音声収録&写真撮影

――
新日本プロレスさんとしては巡業もありますし、ボイス収録やストーリーモード用の写真撮影はたいへんだったのではないでしょうか?
阿部
本当に、あの短期間で完了できたのは奇跡でしたね。スパイク・チュンソフトさんから無茶な注文がガンガン飛んでくるんですよ(笑)。おっしゃる通り選手は月に2、3週間は巡業に出ているので、スケジュールを押さえるのが本当に難しかったんです。でも怒られるのを覚悟で、うちの広報チーム、選手マネージメントチームにお願いしたところ、彼らが本当に協力的だったんですよ。すごく細かいスケジューリングをしてくれたおかげで選手のボイスも録れたし写真も撮れたので、会社をあげて盛り上げてくれているんだな、という気持ちも感じられたのはよかったですね。
――
ちなみに、収録はどれくらいのペースで進められたのですか?
松本
1ヵ月で50人くらい録ってください、みたいな感じでしたね(笑)。
阿部
1ヵ月は31日しかないんですよ。そのあいだの15日間くらいは巡業に行っちゃうので、選手が動けるのは15日くらい。そのなかで50人録ってください、と。一時期は本当に、LINEをブロックしようかと思いましたよ(笑)。でもこれをやらないと世に出せないな、というのもありましたね。
――
やはり、やるからには120%、フルでやるしかない、と。
阿部
そうですね。本当に短期間で、今年の4月の両国大会が終わった直後から始めて、声の録音と選手画像の撮影を同時に進めたんですよ。音声収録はスタジオなんですけど、無理やりバックシートを敷いて写真を撮ったんですね。流れ作業で進めたほうが作業を軽減できるだろうと、無理を言って音声スタジオさんとスパイク・チュンソフトさんに調整してもらいました。あの合わせ技がなかったら間に合わなかったかもしれないですね。
松本
音声収録スタジオで写真を撮るっていう発想が出なかったので、そこは本当に助かりましたね。
――
実際に撮影した写真を拝見しましたが、かなり無理をして撮影した感は出ていましたね(笑)。

“レスリングどんたく”でウルトラC級の収録

――
収録はどの選手からスタートしたんですか?
阿部
最初は中西選手でしたね。最後に収録したのは柴田選手でした。いまロサンゼルスに道場を立ち上げていて、彼がそこのトップを務めているので、スケジュールで言えば柴田選手がいちばん難しかったですね。けっきょく4月から6月の3ヵ月間で収録をしたのですが、いちばんのウルトラCだったのが、レスリングどんたく(※2)のときですね。
※2:毎年5月ごろに福岡で開催される、新日本プロレスの大会。
――
どんたくと言うと、福岡ですよね?
阿部
そうなんですよ。外国人選手は基本的に東京にはいなかったので、収録ができなかったんです。でもしょうがないから、博多で録ってもらうしかないとなって、博多で収録できるスタジオを探していただいて、選手も収録が終わったらすぐ試合、みたいな感じでしたね。
――
それはかなりすごいですね。
阿部
ケニー選手とか、バレットクラブは本当に収録が終わったらすぐ会場に直行して、そのまま試合でしたね。こちらとしても、福岡でお願いしますと言っておきながら、福岡にスタジオがあるかどうかも知らなかったんですよ。絶対無理だろうなと思っていたら、見つけてくれて、「やれます」と。すごいパッションでしたね。
松本
たまたまそういうスタジオのある、珍しい市役所があったんですよ。なので当然写真撮影もそこでやる、みたいな。
阿部
あれは奇跡でしたね。
――
しかし音声収録と写真撮影の合体技はすごいですね。スケジュールも節約できるとなると、今後もこの手法が採用されるのでは?
松本
できれば分けたいですね。でもジュニアヘビー級の追加選手も同じパターンになりそうな気がします(笑)。
阿部
ジュニアヘビー級は外国人選手が多いですからね(笑)。

『ファイプロ』が引き出した数々のセリフ

――
しかし今回はボイスの数が本当に豊富ですよね。多い選手になると80種類以上もありますし、ふだんは聞かないようなセリフもあって、ファンにはかなりうれしい要素だと思います。
阿部
選手もスタジオに入って原稿を見たときに、「あれ、思ったより多いぞ」と思ったんじゃないですかね。でもそれをゴリゴリ動かしたスパイク・チュンソフトさんのパワープレイは最高でした(笑)。
松本
柴田選手が最初は本人からNGの出るセリフが多くなりそうだったんですけど、最終的にはかなりのセリフを言ってくれたんですよ。
阿部
柴田選手は後藤選手の高校の同級生で、後藤選手が相当な『ファイプロ』好きだったので、柴田選手もかなりプレイしてきているんですよね。
松本
やっぱり、そこは『ファイプロ』愛ということですよね。
――
いまWWEに所属されている中邑真輔選手も、かなり『ファイプロ』を愛されていましたね。
松本
本当に中邑選手はどうにかしたかったですね。
阿部
ファンクラブの会報誌にも『ファイプロ』愛に溢れる原稿を書いていましたからね。
松本
将来的に中邑選手が実名参戦、となったら本当に最高だと思います。でもひとまずはユーザーの皆さんにエディットしていただくということで……(笑)。

収録現場は、まるで男子高校生の放課後

――
ボイスの収録現場に立ち会って、とくに声入れがうまかった、スムーズに進んだのはどの選手でしょうか?
松本
やっぱり矢野選手は慣れていましたね。こちらから指示を出さなくても、雰囲気を感じ取って言ってくださるんですよ。あとはヒロム選手も上手でした。意外だったのが鈴木みのる選手で、ものすごく上手だったんですよ。「俺たち鈴木軍、イチバーン!」のセリフなんかリング上のまんまで、プロはすごいなと思いましたよ。
――
ユーザーの皆さんは、ぜひ各選手のボイスにも注目してほしいですね。
松本
あとは真壁選手なんかも、テレビに多く出演されているだけあってマイク慣れしていました。本当に、どの選手の収録も楽しかったですよ。立ち会ったスタッフが全員プロレス大好きなので、「イエー!」、「ウオー!」っていちいち大盛り上がりでした(笑)。
阿部
放課後の男子高校生みたいになっていましたね(笑)。「やべぇ、矢野来たよ!」、「あれオカダじゃね?」みたいな感じで、同好会的な雰囲気がすごかったです(笑)。
――
永田選手は主人公の教官的な立ち位置なのもあって、ストーリーモードでもセリフが多かったですね。「ハーッハッハ!」の笑い声が脳裏にこびりつくというか(笑)。
松本
序盤にめちゃくちゃ登場していますからね(笑)。永田さんもボイスの収録はスムーズでしたよ。Tシャツが版権的に使えないものなので、撮影の前に着替えていただきましたけど(笑)。
――
ある意味それも永田選手らしいですね(笑)。

選手もスポンサーも『ファイプロ』コラボに燃える

――
『ファイプロ』とのコラボが決定して、選手の反応はいかがでしたか?
阿部
 もう本当に大喜びでした。棚橋選手と別の仕事でいっしょになったときにこっそり教えたんですけど、ゲームが新しく出るって言ったら、「『ファイプロ』ですか?」って向こうから聞いてきましたからね。実名で登場すると聞いて驚いていましたよ(笑)。後藤選手やKUSHIDA選手、真壁選手もすごく喜んでいましたね。
――
KUSHIDA選手と真壁選手はイッテンサンの会見で実際にプレイもされていましたね。
阿部
あのふたりはとくに『ファイプロ』が強くて、いっしょに食事をしたときにプロレスゲームの話をすると必ず『ファイプロ』を挙げていたんですよ。このふたりを呼べば、ノスタルジックな空気に浸りつつ、いまの『ファイプロ』も楽しんでもらえるんじゃないかと思いました。本当にすごく喜んでいましたね。
――
レスラーのなかにはゲーム好きな人も多くて、プロレス業界とゲーム業界は親和性が高いですよね。
阿部
そうですね。とくに外国人選手はゲームが本当に大好きで、いまはWWEに所属しているAJスタイルズ選手はPS4に外付けモニターを付けて新幹線の中でもプレイしていましたよ(笑)。アメリカからわざわざ自分のゲーム機を持ってきて遊んでいる選手はほかにもいて、リージョンコードが違うから自前のハードで遊ぶんですけど、壊れたときに修理できるお店が見つからなくて、寂しい巡業になった、なんてこともありましたね(笑)。
――
ゲームファンとプロレスファンにもつながっている部分があって、『ファイプロ』とのコラボが発表されたときの受け入れかたもすごくよかったですよね。本当に、コラボする両陣営だけでなくどちらのファンにもうれしい話で、win-winどころかwin-win-winぐらいのコラボですね。
松本
本当にそうですね。ありがたい限りです。
阿部
そう言っていただけると、こちらとしてもありがたいですね。
――
阿部さんが個人的に今回のコラボでここがうれしかった、という部分はありますか?
阿部
僕としては、スポンサーさんがリングに載ることがすごくうれしかったですね。契約がたいへんな部分でもありましたけど、スポンサーさんがすごく喜んでくれたんですよ。やっぱり『ファイプロ』なので、スポンサーさんもふたつ返事でイエスだったり、「『ファイプロ』に出られるんですか!」という反応もあったりして、改めて『ファイプロ』の浸透度を実感できました。「『ファイプロ』のためにPS4を買います!」とおっしゃってくれる人もいましたよ(笑)。

アメリカのイベントではケニー選手が大活躍

――
『ファイプロ』は国内だけでなく世界でも人気ですよね。6月に松本さんがCEO(※3)に出られた際にも反響がすごかったとか。    ※3:アメリカで開催される大型の格闘ゲーム大会。松本監督とケニー・オメガ選手、飯伏幸太選手が登壇して『ファイプロ ワールド』を紹介した。
松本
ファンの熱もすごかったですし、ケニー選手と飯伏選手もすごく協力してくれたんですよ。『ファイプロ』ブースではおふたりに挑戦することができたのですが、20人か30人くらいファンが並んでいて、おふたりは1時間半くらいずっとお客さんと『ファイプロ』を遊んでくれたんです。なかなかこんなことはしないですよね。
阿部
あのときはケニー選手の登場が唐突でしたよね(笑)。
松本
もともとイベントの進行が緩かったですからね(笑)。でも、ケニー選手は段取りが把握できていない状態だったのにファンを盛り上げてくれて、もうステージ前の客席が満席で、立ち見の人もいっぱい出たぐらいなんですよ。
――
CEOに出展されたのはケニー選手がきっかけだと伺いました。
松本
そうなんですよ。もともとケニー選手がかなりのゲーム好きですから、ゲームのイベントに出たいというお話を本人がされていて、そこに我々が乗っかった形ですね。本当に、ケニー選手に感謝です。

新日×『ファイプロ』の究極形を見せた限定版

――
今回のコラボの究極形とも言えるのが、コラボTシャツなどの特典が付いた限定版です。あれは本当に本気度の塊でしたね。新日本プロレスと『ファイプロ』のふたつがまさしくひとつになっているというか。
阿部
あれはもう、狂っていますよね(笑)。正直なところ、もっと緩いのが提案されるかと思っていたので、かなりびっくりしました。
松本
この件に関しては、うちのグッズを考える人間がファンの心に突き刺してやろうという勢いでしたからね(笑)。一発目にこのアイデアを出してきたので、これはもうノーなんてとても言えない。「最高じゃん!」としか言えませんでした。
阿部
こちらも内容をいただいて、ロス・インゴベルナブレス風のデザインを使う許諾を取るためにすぐCMLL(※4)に連絡しました。お話をいただいて即、行動でしたね。
※4:メキシコの大手プロレス団体。内藤選手はCMLLへの遠征中にロス・インゴベルナブレスに加入し、その後日本に輸入する形でロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを立ち上げた。
――
ふつうに考えたら、新日本プロレスさんのライオンマークと『ファイプロ』のロゴが並んだものぐらいになりそうなものですよね。
阿部
そう。僕もそれぐらいのものを考えていたら、各世代のファンをピンポイントに攻めてくるアイテムばかりでしたからね。○○消しのフィギュアは80年代、90年代のファンには絶対刺さりますし、ベルトのバックルになっている圧縮タオルもすごいじゃないですか。あれ、絶対に開封したくないですよ(笑)。
――
G1の記者会見では真壁さんも「ふたつ買わないと」とおっしゃっていましたね。もっと踏み込んで言えば、限定版が買えなかった人のために個別でグッズ化してほしいぐらいです。
阿部
これはうちの商品部に相談しないとですね……!(笑)。でも本当に、あのタオルの仕様はすごいですよね。
松本
限定版のグッズに関しては、『ダンガンロンパ』などで培ってきたものが今回の『ファイプロ』に集約されているんですよ。ファンはこういうものを欲しがるぞ、値段はこれぐらいにしたほうがいい、というのが全部わかったうえで、『ファイプロ』愛が投入されたのがあのグッズなんです。
――
そもそもおふたりが出会ったのは、寺澤さんが阿部さんに松本さんを紹介したからで、さらに寺澤さんの手掛けた『ダンガンロンパ』シリーズで培ったノウハウが『ファイプロ ワールド』に活かされている。すごい話ですね。
阿部
なんだかカップルのお父さんみたいな(笑)。
松本
本当にそうですね、しかもうちのボスですし(笑)。

ハッテンキュウは始まりに過ぎない

――
新日本プロレスさんは大舞台で『ファイプロ』のプロモーションをして、スパイク・チュンソフトさんは全力をつぎ込んだゲーム開発、グッズ制作をして、お互いにコラボへの熱意がすごいですよね。
阿部
本当に、本気のラリーがすごいですね。試合で言えばエルボーの打ち合いですよ(笑)。
松本
打ち合ってから睨み合っているところですね(笑)。しかもまだまだ、ジュニア編のストーリーや選手の追加、団体運営モードもありますから、『ファイプロ』はさらに補完されていきます。ハッテンキュウが我々にとってのスタートですから、まだまだこれからです。
阿部
本当に、『ファイプロ ワールド』のすべてが完成されるまで死ねないですよ。
――
今回収録されているストーリーモードは2017年の新日本プロレスをモデルにしていますが、新しい選手なども出てきますし、ジュニア編で終わらずに毎年新しいストーリーが追加されたりしたらアツいですよね。
松本
何かはやらないとですよね。それこそ来年のハッテンキュウはPS4版の1周年として節目になりますし、やっぱり夏はG1もあってアツいですから、何かは仕掛けたいです。
阿部
これからも『ファイプロ』が盛り上がってくれれば、僕らにとってもうれしいですね。いまゲームショップで『ファイプロ ワールド』が売り出されているだけでも、僕らにとってはすごくいい宣伝なんです。オカダ、棚橋、ケニー、内藤のポスターがゲームショップに貼られているわけですからね。

イッテンサンで見えた新日本プロレスの本気

――
新日本プロレスさんとのコラボを発表したイッテンサンの記者会見ですが、改めて振り返ってみていかがですか?
松本
大げさかもしれないですけど、本当に1ヵ月くらい食欲もないし眠れもしないという状態でした。やっぱり、素人があんな1000人以上の人がいるところに立つっていうのは、ないですよ(笑)。しかもどう考えてもアウェーなのに喋らないといけませんからね。
――
でもファンの皆さんも好意的でしたよね。
松本
「監督ー!」って声をかけてくれた人もいましたからね。『ファイプロ』のタオルを掲げてくれている人もいて、すごくうれしかったです。あれがだいぶ力になりましたね。
阿部
やっぱりみんな待っていたんですよ、プロレスゲームを。あの日は会見が始まる前から松本さんの目撃情報がすごく大量に出ていましたよね(笑)。
松本
会見の前に新日本プロレスさんから「プロレスゲームに関する告知が……」みたいに情報が出ていて、僕に気づいた人が「あれ、監督がいるぞ。じゃあ『ファイプロ』じゃん!」みたいになっていましたね。でもすごいですよね。僕、遅れたらまずいと思って早めに来て、1回車の中でちょっと寝ていたんですけど、そのあいだに長ーい列ができていたんですよ。顔を隠しながらそこを通ったんですけど、僕を見つける人がいるという(笑)。
阿部
1500人くらい集まる会見でしたからね。あそこでうちの本気度を見てほしかったんですよ。最初はスパイク・チュンソフトさんとの温度差もわからなかったので、こちらは長いお付き合いをしていきたい、という意思を示したかったんですね。
松本
もうビンビンに感じましたよ。本当に、焼き肉屋で告ってよかったなあ(笑)。うちの櫻井(※5)もめちゃくちゃ喜んでいましたよ。
※5 スパイク・チュンソフト代表取締役社長の櫻井光俊氏。
阿部
櫻井さんも会場にいらしてくださったんですよね。もう両手で握手をしてくださって、「明日(イッテンヨン)も観に行くからね!」みたいなことをおっしゃってくれたので、手応えはすごく感じました。これだけ喜んでくれるなら、こういうことをやれば間違いないんだな、と。そこで冠スポンサーとして『ファイプロ』の名前を載せるスーパージュニアも絶対成功するな、と感じました。
松本
スーパージュニアの決勝では優勝した髙橋ヒロム選手にトロフィーをお渡ししたじゃないですか。もちろんあのときにも櫻井は来ていて、そのあと例の焼き肉屋にまた行ったん
阿部
松本さんには何度もお伝えしているんですけど、新日本プロレスが関わったのに盛り上げることができないというのは、こちらとしても怖いことなんですよ。なので、うちは手厚く協力し続けて、いっしょにやっているんだということを世に見せないといけないな、と思っているんです。プロレス業界の威信を背負っていますからね。念願のプロレスゲームに僕ら新日本プロレスが入るということが、今後のプロレス業界にとっての明るいニュースになったらいいなと思います。

昔プロレスを観ていたファンが帰ってくるきっかけに

――
今回のコラボは、昔ゲームを遊んでいたプロレスファン、昔プロレスを観ていたゲームファンが、それぞれゲームやプロレスに帰ってくるきっかけにもなると思います。とくに、ストーリーモードでは現在のヤングライオンたちとの交流もあるので、「新日ではいまこういう選手が活躍しているのか」と現在の新日本プロレスさんに触れる窓口にもなりますよね。
松本
そうなってくれたらうれしいですね。いわゆる“プ女子”の皆さんにも、ヒロム選手やSANADA選手が出ているから、限定版のコラボTシャツが欲しいから、という理由で買ってプレイしていただけたらすごくうれしいです。
阿部
でも実際、『ファイプロ』が上手な女子がいたらちょっと萌えますよね? いまだに会ったことはないですけど(笑)。
松本
間違いなく萌えますね。「マジか!」ってなりますよ。多分夜のほうもプロレスなんだろうな……って。
阿部
そこまでは言ってない(笑)。
――
いまの発言はしっかり掲載しておきます(笑)。でもたとえば、今回のコラボTシャツを着て会場に来ている女性ファンがいたらすごいですよね。
松本
それはヤバいですね。数量限定のグッズですから、これを着ている方がいたらかなりビックリしますよ。
阿部
僕も基本的に会場でファンの方に声をかけたりはしないんですけど、これを着てたらちょっとね、無言で親指を立てちゃいますね。「買ってくれたんだね」みたいな感じで。
――
タイミングなどの関係で限定版を買うことができなかった方もいらっしゃると思いますが、たとえばコラボTシャツの色違いバージョンを個別に出してみたりする予定はありませんか?
松本
いいですね。赤文字バージョンは限定版にしかないけど、白文字バージョンは個別で販売したりして。
阿部
ボディー違いとかもいいですね。ちょっと怒られるのを覚悟で会社に聞いてみます!

『ファイプロ』はフェス

――
『ファイプロ ワールド』はタイトルに“ワールド”と付いているだけあって、新日本プロレスさん以外の団体にも参戦してほしいという声もあります。そこについて、実際のところ阿部さんはどう思われていますか?
阿部
全然ありだと思います。新日本プロレスも出てDDTさんも出てWRESTLE-1さんもNOAHさんも出る、というのは実際のリングだとむずかしい話ですけど、それこそ『ファイプロ』ならではの話じゃないですか。この前、去年のフジロックを映像で見たんですけど、『ファイプロ』の世界もフェスなんだな、って思ったんですよ。
――
ふだんは交わらないジャンルが集まるという点では、確かに『ファイプロ』もそうですね。
阿部
そうですよ。フェスのセットリストを見ると、テクノもロックもアイドルも、みんな並んでいるじゃないですか。『ファイプロ』にはそういう世界であってほしいので、ほかの団体さんが出るのはありがたい話ですし、むしろやっていただきたいぐらいですね。
松本
そういう形でプロレス業界の発展に貢献できたら、こんなにうれしいことはないですよ。男子団体だけでなく、女子団体も視野に入れて、本当にすべてのプロレスが『ファイプロ』に集まったら最高ですね。

『ファイプロ』を復活させた責任と使命

――
ハッテンキュウにとうとうPS4版の発売を迎えた『ファイプロ ワールド』ですが、これからの動きにも要注目ですね。
松本
ぜひ注目してください。新日本プロレスさんにここまでご協力いただきましたから、我々は結果でお返ししつつ、来年以降もいい関係を続けていけるように、もっと何年もプロレス界を盛り上げるために、少しでもその起爆剤を作り出す力になれればと思います。増田さん(※6)の作った『ファイプロ』と増田さんの意思を継いで、プロレスの復権に尽力していきます。
※6:『ファイヤープロレスリング』シリーズの生みの親である増田雅人氏。
阿部
プロレス業界の発展、そしてプロレスゲームの発展ですね。プロレスが盛り上がればプロレスゲームも勢いづくように、プロレスゲームがアツくなればプロレスの熱も高まりますから、新日本プロレスも『ファイプロ ワールド』に負けないように盛り上がっていきますよ。
松本
いまはゲームも進化して、発売が終わりではなく、アップデートなどでどんどん進化しますから、永遠に終わりませんよ。たとえば『ファイプロ ワールド』の発売から約半年でイッテンヨンが来ますから、またその前日、イッテンサンで新ストーリーの発表であったり新選手、新コスチュームの発表ができたらうれしいですね。
阿部
選手の新しいコスチュームなんかについては、こちらでも広報を介して情報を吸い上げてスパイク・チュンソフトさんに共有して、先回りして制作していただくなどの協力をしていきたいですね。
松本
実際に新コスチュームをお披露目した当日にゲームの中でも配信、みたいなことができたら最高ですよね。
阿部
僕としては、それは実現したいですね。それもひとつの究極形だと思います。夏のG1とイッテンキュウ、ちょうどこのふたつでコスチュームが変わるサイクルがありますから、それはぜひ東京ドームかG1で実現したいですよね。
――
ヤングライオンをはじめ、選手の皆さんが新技を開発したりといった成長もありますし、選手自体も増えていくでしょうし、反映してほしい要素は盛りだくさんですよね。
松本
やはり我々には13年ぶりに『ファイプロ』を復活させたという責任がありますから、ただ『ファイプロ』が好きだから復活させました、では済まないんですよ。30年近く見守ってくれているファンもいますし、増田さんの意思もありますし、いろいろな方が多くのことを尽くしてきた。その『ファイプロ』という作品を、我々がつないでいかないといけないんです。その責任を感じたうえで、ファンの皆様にちゃんと納得していただけるものを出す。まったく簡単なことではありませんが、それこそ我々が果たさなければならない使命なんですよ。
阿部
そのお手伝いをするという意味でも、新日本プロレスも全力を尽くしていきます。今回のコラボ実現までにも、うちでも本当に多くの人たちが力を貸してくれましたので、僕もその人たちの力添えに応えられるように、プロレス業界とプロレスゲームを盛り上げるために、やれることをやっていきます。
――
これからも楽しみにしています。本日はありがとうございました!

取材:EBRIETAS(エブリエターズ)
TEL:03-6268-9797
営業時間 : PM6:00~0:00迄

住所:東京都千代田区神田三崎町2-11-12 アイロン三崎町ビル 2F
営業日 : 火曜日~日曜日
URL : https://ebrietas-ytr.amebaownd.com/

PC版『FIRE PRO WRESTRING WORLD 動作確認版』では、お客様のPC環境での動作確認をすることができます。
ソフトウェアをダウンロードして利用するには、下記の仕様許諾契約に同意する必要があります。

※動作確認版での動作と、製品版での動作が必ずしも一致するものではございません。あらかじめご了承ください。
※製品版は、Steamのアプリケーションになります。

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■PC版『FIRE PRO WRESTRING WORLD 動作確認版』概要

  • ・固定の設定で、ノーマルマッチを1分間プレイできます。
  • ・コントローラーでの挙動確認用に1Pが含まれています。
  • ・「ALT」+「ENTER(Return)」キーで、フルスクリーン、ウィンドウの切り替えの確認が行えます。

※製品版では、Steamの「BigPicture」を使用しています。ご使用のゲームコントローラーのキーアサインが、製品版とは異なる可能性があります。

FIRE PRO WRESTLING WORLD 動作確認版使用許諾契約書

 本契約は「FIRE PRO WRESTLING WORLD 動作確認版」の使用を許諾するための条件を記載したものです。
以下に記載する条件(以下「本契約」といいます)に同意の上、本ソフトウェアのインストールを開始してください。

第1条 ソフトウェア使用許諾
1.
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2.
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1.
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第3条 免責・不保証
1.
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2.
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3.
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4.
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1.
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2.
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3.
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第5条 準拠法等
1.
本契約の準拠法は日本法とします。
2.
本契約の一部が、日本法の適用により無効とされても、他の部分はこれに反しない範囲で効力を有するものとします。
3.
本契約に関してお客様と当社との間で紛争が生じた場合、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。
第6条 その他
1.
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2.
当社が別途定める場合を除き、本契約の変更は、当社サイト上に掲載する方法によってお客様に通知します。いかなる変更も、当社サイト上に掲示した時点で直ちに有効になります。

2017年8月9日 制定