[週刊少年チャンピオン No.35号]
(7/26発売・秋田書店 P332〜333)より
K:笠井修  O:大崎悌造

「へぇ〜、今回のシレンのイメージイラスト、すごくカッコイイねぇ!」
「前作のN64版は、子供時代のシレンが主人公だったから、よけいそう感じるんじゃないのか? ま、アレはアレで可愛かったからイイけどな」
「ゲーム中のグラフィックも、ハードが違うから当然N64版とは大きく異なっているけど、こっちはむしろ懐かしい感じがするね」
「印象的には、SFC版の第一作目に一番近いかな。ワレワレのよーに『トルネコの大冒険』から『不思議のダンジョン』シリーズを知っている者にとっては、N64版の3Dタイプより、こういう完全見下ろし型2Dタイプの方が、正直なんかホッとするんだよな」
「それにしてもこのシリーズ、基本となるゲームシステムがほとんど変わらないよね。さらに言うと、クオリティも必ず高水準をキープしてる。これって、変化の激しいゲーム業界では大変な偉業だよ」
「もちろん、細かい部分は色々いじってるんだろーが、それだけ根幹のシステムが優秀だってことだろ」

「ただ、ちょっと意地の悪い見方をすれば、作品ごとのプレイ感がほとんど変わらないよね。ストーリーや出てくるキャラが違うだけで、やってることはだいたい一緒。へぇ、こんなところが変わってるんだ‥‥っていう驚きが少ない」
「それは作る側もある程度わかってるんじゃないのか? だから、ストーリー性を高めたり、デモ演出を入れたりして、少しでも違いを出そうとしているんだと思うぞ」
「まあ、ボクだって、このシリーズに大きな変化を望むかと言われたら、いや望まないって答えるけどね」
「それに今回は、GB の通信機能を活かして、アイテム交換や他のプレイヤーによる救助システムなんかも採用してるじゃねーか。特にこの救助システムなんか、大昔の『ウィザードリィ』みたいで面白いぜ」
「それは言える! 交換とかバトルじゃない、新しい通信コミュニケーションの手段だよね」
「なんだかんだ言っても、この作品が高い完成度を誇る優れたゲームであることは間違いないと思う。短時間でも気軽にプレイが出来るから、GBというハードにもベストマッチしているしな。
易しすぎず、難しすぎず、アクション的要素も在ればパズル的要素もある。とにかく、誰にでも自信を持ってオススメできる、数少ない一本だと言えるな」



記事ライター:大崎悌造氏

※記事抜粋のため敬称は略させて頂いています