贈る言葉主人公 ( 3年B組担任 )投稿者 : kanji

卒業おめでとう。
今日という日に、みんなの門出をこうして見送ることができてとても、誇らしく思えます。
この1年間、先生はみんなを信じてきました。そしてみんなは、こんな先生だけれど信じてついてきてくれました。ありがとう。それが先生の今の正直な気持ちです。

1年前、金八先生から3Bの受け持ちをバトンタッチされたとき、先生には少なからず不安がありました。みんなも知っての通り、先生は長い間教職の場から遠ざかっていました。それでもまた教壇に立とうと思ったのは、先生が中学生時代にあまりにも惨めな3年間を過ごしたからです。
先生が先生になろうと決めたのは、人生にやり直しはできないけれど、誰かを導くことができるなら、その頃の思いがわきあがってくるのを感じ、再び教壇に立ちました。

1年前の先生は、とても先生と呼べるような人間ではなかったと思います。みんなに悔いのない中学時代を送ってもらおうと、必死でした。
先生が先生になるために必死だったのだと思います。そんな先生をみんなは暑苦しいかと思ったかもしれません。
だけど、みんなは応えてくれました。この1年間の中で。みんなが持っている素直な気持ちが先生を、本当の先生にしてくれた。
長かったけど、先生、やっと先生になれたと思います。
先生を先生にしてくれたのは、みんななのです。先生ひとりでは、決して先生にはなれなかった。

さて、折角のみんなの門出です。先生の話であまり長く引き止めては申し訳ない。みんなの晴れの舞台です。今日、今ここから輝ける未来に向かって歩き始めましょう。
みんなの可能性と、そして未来がちょっとだけうらやましいかな。
さぁ、もういきなさい。あなたたちなら、大丈夫です。
なぜなら、先生にとってみんなは、最初で、最高の生徒達であったと胸を張っていう事が出来るからです。

…ありがとう。先生。
投稿者よりコメント
ロールプレイドラマというジャンルを謳っておられましたが、実に言い得て妙でした。主人公であるプレイヤー=先生が成長していく過程をものすごく実感しました。ゲームの中の主人公だけでなく、プレイヤー自身が成長していく、そんな気がしました。プレイヤー、つまり僕自身の気持ちを文中に表しました。