2011年1月某日
取材も今日で終わりだ。
チュンソフトのエントランスで受付を済ますと「先に入っておりますので」といつもの会議室に案内された。ドアを開くとそこには…。
完全にマスクをはずしてしまっているZERO氏。
編:ZEROさんっ、ZEROさん!...打越さんっ!起きてくださいよ...
ゼロ:(起きる)…ん、あぁ…。すみませんね、徹夜明けで、ついつい。
マスクを被り...。
はい、私はMr.ZEROである。
編:はい、ありがとうございましたっ、では早速はじめましょう。
ゼロ:私はMr.ZEROである。
はいはい、私が
ミスター...よっと、よっと、はまんないな...
ZEROですよ。っと!
とマスクが曲がっている事に気づいていないZERO氏。
編:映画や小説などで参考にしたものはありますか?
ゼロ:映画や小説ではないが、EVER17のときにはターシャム・オルガヌムというある種のオカルト本を、12RIVENのときにはユーザー・イリュージョンという科学書的な本を、EVEνgeneのときにはラカン関連の本を、999のときには形態形成場仮説の本を、それぞれ参考にしたそうだよ。
編:普段は映画や小説などを観たり読んだりされる事は多いですか?
ゼロ:最近は忙しくて、小説にはほとんど触れる機会はないそうだよ。
映画のほうは相変わらず観ているようだが……。
編:ゲームは普段されますか? また好きなゲームはありますか?
ガスマスクの向こうで思いを巡らせるZERO氏。
ゼロ:最近だと「ダンガンロンパ」「シュタインズゲート」この2本に激しく打ちのめされたと打越は言っている。キャラ設定、舞台設定、ゲームシステム、シナリオ、音楽、いずれも秀逸で非の打ち所がない。今後のADVゲームの流れを決定づけた傑作だったと思う。
編:個人的に好きな作家さん(小説家、脚本家、映画監督など)はいますか? また、その作品を教えてください。
ゼロ:ダンガンロンパのシナリオ「小高和剛さん」シュタインズゲートのシナリオ「林直孝さん」まどか☆マギカのシナリオ「虚淵玄さん」けいおんの監督「山田尚子さん」
編:どこが好きかなども聞きたいです。
ゼロ:決まってるだろう? 全員、神だからさ。
編:今後書いてみたい作品、ジャンルなどはありますか?
ゼロ:「現代物の恋愛劇が書きたい」と打越は言っていたな。
編:おぉ、恋愛劇、ぜひ読みたい!!
編:「善人シボウデス」について、これから遊ぶユーザーに伝えたいことはありますか?
ゼロ:最近のADVゲームは基本的に1本道の物語が主流となっていますが(もちろんそれはそれでとても面白いのですが)今回の「善デス」ではあえて【分岐の面白さ】を追求してみました。
ADVゲームならではのゲーム性、プレイヤーの選択が歴史を変えていくということの醍醐味が、この作品の中には詰め込まれています。複数のシナリオがどのように絡み合っていくのか、プレイしながら推理してみてください。終盤には怒涛の展開が待っています。
また脱出パートも練りに練り込まれています。
今回の脱出パートは大仕掛けがてんこ盛りです。普通に脱出パートをプレイしているだけでも時間が経つのを忘れることでしょう。
これらノベルパートと脱出パートがたくみに融合した本作。必ずやご満足いただけることと存じますので、ぜひともどうかひとつ、よろしくお願い申し上げます。
編:えーと、最後にお聞きしますが、あなたは...
ゼロ:私はMr.ZEROである。