はじまりの物語
むかしむかし、そのむかし‥‥
後に数々の冒険譚を残し名を馳せたという“風来人”シレンが、まだ子供だった頃のお話です。
幼い風来人、シレンが旅の途中で立ち寄った、山間の小さな村。その名もナタネ村。一見穏やかで豊かなこの村、実は深刻な問題が村人たちを悩ませていました。それは、どこからともなく現れては、村を襲い破壊の限りを尽くす、鬼一族の存在。
彼らはたびたび村にやってきては、食料を奪ったり家屋を壊したりと乱暴三昧。なすすべもなく脅える村人たちの間から、誰ともなく出てきた言葉は……。
「……やっぱり、城が必要だよな」
「頑丈な石垣と、りっぱな壁で作られた城があれば……」
相談の末、村人たちは村の守り神がまつられている神社に向かいます。そこでご神託を仰ごうというわけです。行きがかり上、シレンとコッパも同行します。
そしてそして、 ご神託は、なんとシレンこそがその城造りという難題をやりとげる唯一の人間である、と下ってしまうのです。
はたして、シレンは無事に城をつくりあげることができるのでしょうか?
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