ダンジョンでの材料集め、城作りと、なにかと忙しいシレン。
ある日シレンとコッパがいつも通りぐっすりと眠っていると、変な声が聞こえた。
「マーモリー」
寝ぼけまなこで起きあがるコッパとシレン。しかしなぜか体が動かない。
「体は動かなくても、言葉は聞こえるだろう」
不気味な声に臆することなくコッパは、正体不明の相手にくってかかる。
「誰だか知らないが、この金縛りをときやがれ!」
騒ぎ立てるコッパに、
「これ以上騒ぐと『おさめるぞ』」
という声。しかしそんなことでひるむコッパではない。声の主はあきらめたのか、
「仕方ない、『おさめる』とするか」
するとその途端、コッパの姿がどこかに消えてしまったのだ。
驚くシレンに声の主が言う。
「わたしはシュテン山の守り神。村のためにおまえが尽くすのを見て感動した。だから少し手伝ってやる」
そんなやり取りのあと、気が付けばシレンはいつの間にやら夢の中。
朝。シレンが目を覚ますとコッパの姿がない。昨夜の夢のような出来事はやはり事実なのかと、部屋のタンスに近づくと‥‥
「マーモリー・デロー」
タンスの引出しからコッパが吐き出されてきた。
「ぼくは守り神さまの化身、タンスのマーモ、よろしくね」
こうして、また新たな仲間がシレンの冒険の旅に加わるのだ。
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