第6話 ( 9月 ) |
高峰「夏休みに実施した実力判定テストなんですが‥‥。とくにこの生徒。この点数‥‥いったいどうしたんですか」
夏休みも明けて9月。上がってきた実力テストの結果に関し、数学の高峰先生からそう話があった。3年B組の生徒 ── 白石雪也の成績がずいぶんと落ちているというのだ。
夏休み中、彼になにかがあったのだろうか?
■この話に登場する主な人物
白石雪也
|
雪也に話を聞こうと探すと、彼は真っ白い大きな犬とともに荒川の土手にいた。
雪也「あっ、先生! 可愛いでしょ。シェリーって言うんです。最近飼うようになったんですよ。そうだ。先生、犬爺って知ってます? この近所に変なお爺さんがいるんですよ。捨て犬をたくさん拾ってきて、自分の庭で飼ってるんです。みんなは変人呼ばわりしてるけど、すごくいい人で、シェリーはその犬爺からもらったんです」
そううれしそうに話すと、雪也は「じゃあ」と帰って行った。落ち込んだり、悩んだりしている様子はないようだが‥‥。「犬爺」とは、いったいどんな人物なのだろう?
そんなある日、学校に白石雪也の母親が訪ねてきた。
雪也母「雪也の志望校は開栄一本です。それなのに、このところの試験では、目を疑うような点数ばかり‥‥。勉強に集中できなくなるようなことでもあったんじゃないでしょうか」
そう一方的に文句を言って、雪也の母親は帰って行った。
やがて雪也と話をしているうちに、テストのとき彼は具合の悪かったシェリーの看病をしていたらしいことがわかった。だが母親になんと言われても、雪也はシェリーの世話を止めようとはしない。
とうとう業を煮やした母親はェリーを保健所へ連れて行き、その事実を知った雪也は家を飛び出してしまう。
犬爺「‥‥これからこの子と動物愛護センターに行く。愛護とは名ばかりだがな。そこでは捨てられた動物の殺処分をしてる」
やはり、犬爺のもとに行っていた雪也。あなたがやってくると、老人そう言って雪也と共に動物愛護センターに向かった。
果たしてシェリーは、生きているのだろうか?
そしてあなたは、雪也をどのように導いて行くことができるか?
|